紅牡丹寝室1 シーンテキスト
紅牡丹
「ふぁふ……むにゃ……」
――夜更け、紅牡丹一座の芝居小屋。
王都での初公演を控えた紅牡丹に、
陣中見舞いをしようと訪ねてみたのだが、
どうやら、彼女は眠ってしまっているようだった。
紅牡丹
「我こそがぁ……いばらきぃ……どーじぃ……」
おそらく連日の稽古で疲労が溜まっていたのだろう。
しかし、楽屋の畳の上に転がしておいては、
身体を冷やしてしまうかもしれない。
ここはひとつ、布団をかけてやろうと歩みよると――
紅牡丹
「ふふぅ、おうじぃ……」
…………?
夢の中に、俺が登場しているのだろうか?
興味が出て、その口元に耳をそっと寄せてみると、
紅牡丹
「しゅき」
……?
紅牡丹
「おうじ、しゅきぃ」
…………!?
紅牡丹
「むにゃ……もうおうじ食べられないよぉ……」
いったいどんな夢を見ているのだろうか。
好きというのも、
おそらく食事か何かの夢を見ているが故の寝言なのだろう。
苦笑しつつ、今度こそ布団をかけてやろうとすると、
紅牡丹
「あっ、王子だぁ……♪」
紅牡丹
「なんでぇなんでぇ♪
夢の中まで会いにきてくれるなんてぇ、
本物と違って優しいじゃぁねぇのぉ♪」
ぱちりとまぶたを開いた紅牡丹は、
しかし何やら不思議な言葉を発する。
まさか、まだ夢を見ていると勘違いしているのだろうか?
紅牡丹
「んふ、夢のぉ、中ならぁ……」
ころん、ころん、と転がって、
紅牡丹は俺の足元へとやってくる。
そのまま彼女は、俺の服に手をかけて、
紅牡丹
「好き放題してもぉ……怒られないってねぇ……っ♪」
――っ!?
紅牡丹はしなだれかかる様に、俺に体重をかけてくる。
それに逆らうことも出来ず、俺は簡単に転がされ、
あれよという間に衣服を全て剥ぎ取られてしまった。
紅牡丹
「ふふぅ、早着替えはぁ、お手のもんサァ」
紅牡丹
「んん……せっかく夢の中なんだ……。
これくらいしたって……ちゅっ……バチはあたんねぇさぁ」
紅牡丹の薄い唇が、非戦闘状態の愚息に触れた。
その甘い感触と、彼女の湿り気を帯びた吐息を前にして、
肉棒に次々と血液が流れ込んでいるのを自覚する。
紅牡丹
「おぉー……なんてぇ立派な逸物ぅ。
絵巻物で見る墨絵なんかたぁワケが違うなぁ」
これはまずい。本当にまずい。
紅牡丹が寝ぼけている今、
それに流されて彼女を穢してしまうのは躊躇われた。
何とかしてこの状況を脱しようと、
彼女の肩に手を伸ばすと、
紅牡丹
「……ん? 脱がせてくれるのかい?
夢の中でも王子は優しいねぇ……そいやー!」
紅牡丹は器用に、俺の手を利用して着物をはだけてしまった。
状況はますます悪化した。
戦況は完全にこちらに不利である。
目の前にまろびでた白い乳房は、
たゆたゆと震え、俺を誘っているかのようにさえ見える。
紅牡丹
「んぅー……おぉー?
まぁた大きくなった……王子の逸物は天井知らずだねぇ」
紅牡丹の乳房を目にしてしまった以上、
愚息が肥大化してしまうのは避けようのないものだった。
何とか視線をそらそうとするものの、
紅牡丹は嬉々として乳房を揺らし、俺の視線を奪おうとしてくる。
双乳の頂の慎ましく引っ込んだ乳首と違って、
彼女の仕草は完全に、俺を弄ぶ妖艶なる美女そのものだった。
紅牡丹
「さぁて、それじゃあ現実でこうなった時の為に、
夢の中で予行演習ってことで……いたーだきーますっと」
そうして、紅牡丹は両手を肉棒に添えて、
紅牡丹
「――あむっ」
紅牡丹
「むぐむぐ……んん……んぐっ……んべぇ……」
小さな口いっぱいに亀頭を頬張ったかと思えば、
すぐに吐き出されてしまった。
ようやく目を覚ましてくれたのか? と思うが、
どうやら未だ彼女は夢心地の様子で、
紅牡丹
「大きすぎるなぁ……んん……困った。
本物の王子もこれくらい大きいのかねぇ……」
紅牡丹
「仕方ない……今夜は手と接吻で勘弁しておくれよ?
夢の中の王子サーマっ♪」
そう言うが早いか、
紅牡丹は寝ぼけているとは思えない程に繊細かつ丁寧な手付きで、
肉棒全体を撫で始めてしまう。
舌と唇は、ちろちろと鋭く温かい刺激を、
そして指先は、絶え間なく優しい刺激を刻んでくるのだ。
紅牡丹
「ちゅぷ……ちろちろ……れるる……」
一切隙の無い波状攻撃を前にして、
俺は完全にこの状況を逃れる術を失ってしまった。
紅牡丹は俺が逃げ出そうとすると、
上手くその力を利用して更なる攻撃を加えてくる。
これが千両かぶき姫の、夜の実力ということか。
紅牡丹
「んふ……こんなパンパンにして、
ちゃんと出させてやらないと苦しいだろう……?」
紅牡丹
「ちゅぷ……ちゃぷ……。
今アタシが助けてやるからねぇ……んぷ……ちゅるる」
紅牡丹
「ははは、ぴくぴく震えて可愛い……♪
ちゅっ、ちゅるっ……いいねぇ、
本物の王子も、舐めてあげるとこうなるのかなぁ……」
その本物の王子が、
今目の前で射精に向けた欲求を必死で堪えているのだ。
紅牡丹は外堀を埋めていくかのように、
丁寧に愚息全体に刺激を与え、
逃げ場のない快楽の渦を俺の中心に生み出しつつある。
このままでは、果ててしまうのはもはや時間の問題だった。
紅牡丹
「こう……かな……? ふふ、ここだ……♪
ここだよねぇ、ぶるぶる震えて可愛いねぇ王子は……♪」
尻の狭間から亀頭の先まで、
俺の股間のあらゆる存在は、完全に紅牡丹の掌中にあった。
射精を堪えていられるのも、
紅牡丹がまだ手加減をしてくれているから、なのかもしれない。
紅牡丹
「ちゅっ……ちゅぷ……んっ……。
そろそろイきたいかい……? どうしたい……?」
思わず、本能から言葉が漏れてしまった。
それを聞いた紅牡丹は、にっこりと微笑んで、
紅牡丹
「いいよ、ぜーんぶ飲んであげるから、
ささ、アタシのおくちの中に……」
紅牡丹
「あーん」
開いた唇の狭間に、手指による、
一切容赦のない奉仕で吸い上げられた、
精液の水脈が勢いよく吹き上がる。
高まりきった快感は、
全身を駆け巡るだけでは飽き足らず、
意識を消し飛ばしそうな程の衝撃を以て、肉棒から噴出し続けた。
紅牡丹
「んぐっ……ちょ、ちょっと王子っ、出しすぎ……っ!!」
紅牡丹
「んぶぅっ……けほっ、んやぁっ……!?」
そうは言われても、出てしまうものは仕方ない。
何よりこの射精は、完全に彼女が導いたものではないか。
紅牡丹
「そんなこと言われてっ、もっ、んぐっ、んくっ、んぷぁ……」
紅牡丹
「ん…………」
紅牡丹
「あれぇ……?」
口元から精液をたらりとこぼしながら、
紅牡丹はようやく何かに気付いたかのように、小首をかしげる。
紅牡丹
「王子、あれ、王子がいるぞぅ……?」
紅牡丹
「さっきまで夢の中で、王子の逸物で遊んでたはずなのに……」
どうやら、目を覚ましてくれた様子だった。
紅牡丹に何と説明したものか、
と首を捻っていると、彼女は勝手に何か得心したようで、
満面の笑みを浮かべ、自信満々にこう言ってきたのだった。
紅牡丹
「はっは」
紅牡丹
「――人生最高の目覚めだよ、王子♪」