水着アンナ寝室1 シーンテキスト

アンナ
「あの……王子、これはいったい……?」

ベッドの上で仰向けになったアンナは、
恥ずかしそうに俺に言う。

アンナ
「もうすぐ、
仲間の皆さんとの海水浴に出発するというのに、
どうして私、ベッドの上なのでしょうか……?」

海水浴だからこそ、
しっかりと準備が必要だということを、
アンナは理解していないようだった。

アンナ
「……準備なら、昨日までにちゃんとしました」

アンナ
「遊具もタオルも、
それに皆さんの為の飲み物や浜辺で作る為の夕飯の食材も……」

アンナ
「――え? そうではないのですか?」

アンナ
「わ、私の準備……?」

アンナ
「何を仰ってるのでしょうか?」

いいから少しの間だけ大人しくしていてくれ、と
俺はつい先日、王国にやって来た
女性商人から買ったモノを取り出す。

アンナ
「それは、いったい……?」

俺が取り出した小瓶に
アンナが不思議そうな目線を向ける。

アンナ
「……日焼け止め? 何ですか、それは?」

文字通り日焼けをしない為の液体だ。

アンナ
「陽に当たれば、
日焼けをするのは当然なのではないでしょうか……?」

それはそうだが聞いた話によれば、
日焼けによって女性の肌はダメージを受けるらしい。

アンナ
「……だ、ダメージ?」

アンナ
「太陽の光は天からの恵みですよ?
もしかして王子、商人さんの嘘にだまされたんじゃ……?」

万が一それが真実だったらどうするのだ、と俺は言葉を返しながら
常日頃、自分を支えてくれる大切な女性の美しい身体を守る為に、
商人から買い取った小瓶の中身を自らの手に垂らす。

アンナ
「な、何だかトロトロしてます……」

アンナ
「それを塗れば大丈夫なのですね?」

そうらしい、と俺は頷きながら、
ゆっくりとアンナの腹部に手を伸ばす。

アンナ
「え? 私が自分で塗るのではないのですか?
ちょっと、王子まって――ひゃぅッ!?」

張りのある形の良い豊かな胸の上で両手をぎゅっと握り、
アンナが触れられた驚きに身を強ばらせる。

自分ひとりでは全てを塗ることなどできないだろう、と
俺は使命感に駆られながらアンナの全身を
隈無く保護する為に粘液を塗り広げていく。

アンナ
「……すごく、ぬるぬるしてて……あっ、ン……、
王子……ちょっと、塗り方が、いやらしい……です……」

アンナ
「……わ、わかりましたから……やぁ、ン……、
これ以上は、ほんとに……ん、ふぁ……くすぐったい、ンぅ……ッ」

アンナ
「あッ、ふぁぁ……せ、背中以外なら……んっ、んふぁ……、
自分でもできます、からぁっ……もう、やめてください……」

アンナ
「じゃないと、私……何だかヘンな気分に……んっ、ぁ……、
お願いです、王子……もう、やめて……ふぁ、ン……」

頬が可憐に染まり、
いつもとは異なる艶やかな声がアンナの口から零れる。

滑らかな彼女の肌に触れていた自分も、
知らず妙な興奮を覚えてしまっていた。

その時――。

ドンドンッ!

兵士
「王子! 皆の準備が完了致しました。
そろそろ海に向けての出発のご用意をお願いします」

その声に、ハッと我に返る。

兵士
「……急かしてしまい申し訳ありません。
ですが、モーティマ様をはじめ、
山賊や海賊の皆さんが早く王子を呼べと申している為……」

わかった、と扉の向こうの兵に告げ、
待たせてしまって申し訳ないと付け加える。

兵士
「承知致しました!
それでは、失礼致します!」

兵が去って行ったのを確認すると、
俺とアンナは互いに見合わせ、ほっと一息つく。

アンナ
「……王子、あとは私が自分でしますので、
急いで準備をしてしまいましょう」

アンナ
「……あの、私の身体を気遣って下さって、
ありがとうございます、王子」

アンナ
「今日の海水浴、いっぱい楽しみましょうね」

ああ、と俺はアンナに笑みで応じながら起き上がり、
皆の為に急いで用意をするのだった。