ワンダーハート寝室1 シーンテキスト
ワンダーハート
「さぁ今宵お集まりいただきました皆々ぁー様ぁー」
ワンダーハート
「此度お見せーいたしますはー、
無から有を生み出すー、古のぉー魔術ぅー」
――観客は、俺しかいないのだが。
ワンダーハート
「う、うるさいうるさーい!
王子は黙って……その……シコシコされてればいーの!」
――夜更けの寝室。
俺は両手を寝台に縛り付けられ、
股間を露わにさせられている。
その主犯は俺にまたがり、どこか得意げな表情をしている、
その芸名をワンダーハートという道化師の少女だった。
ワンダーハート
「……男の子って、えっちなことさせてくれる女の子に、
すぐ引っかかっちゃうものなんでしょ……?」
――そんなことは……。
ワンダーハート
「なくないでしょ?」
こんな状況下でも律儀にその身を固くしている愚息を、
彼女はぐいっと握りしめてくる。
ワンダーハート
「いっぱいえっちなことしてあげるーって言ったら、
無抵抗に縛られちゃって、
こうして私に、好き放題されてるんだから」
確かに、ワンダーハートに夜の誘いをかけられた折、
こちらも乗り気になって寝室へ招き入れてしまったのは事実だ。
しかしそれは、憎からず思っている少女の誘いであればこそで……。
ワンダーハート
「はいはい、言い訳しなーい!」
ワンダーハート
「今日の王子は私のおもちゃ。いーい?」
いや、何も良くな――
ワンダーハート
「良いの! そもそも、王子が悪いのよ?」
ワンダーハート
「毎日色仕掛けしてるのに……。
王子ったら全っ然! 手を出してくれないんだから……!」
――色仕掛け、だったのか?
ワンダーハート
「…………えっ?」
――何かと理由をつけて抱きついてきたり……。
ワンダーハート
「…………そうね、どきどきしなかった?」
――浴室に突撃してきたり……。
ワンダーハート
「…………あれはちょっと、あからさま過ぎたかしら」
――上目遣いでおねだりをする時に、
さりげなく控えめな胸元を見せてきたり……。
ワンダーハート
「ふふっ、絶妙な角度だったでしょ……!!」
何もかもがあまりに直球過ぎたが為に、
この娘にはそのうち、貞操観念なるものを、
念入りに教えてやらねばなるまいと思ったものだった。
ワンダーハート
「ふぇっ?」
ワンダーハート
「…………色仕掛け……全部失敗してたの!?」
そも、色仕掛けだと思わなかっただけである。
ワンダーハート
「うぅ~……ぐすっ……いいもん。
いいもんいいもん……っ!!」
愚息を握る彼女の手に、微かに力がこもる。
ワンダーハート
「……わ、私無しじゃイけない身体にして、骨抜きの、
めろめろの、それからえーと……でれでれにしちゃうんだから!」
それは大変だなと言葉を返すより早く、
予想すらしなかった快感が肉棒に刻まれる。
単調かつ高速な上下の刺激だけでも十分に心地よいというのに、
彼女は人差し指を亀頭に引っ掛けるように動かして、
強力な刺激と、繊細な愛撫を両立させていた。
無意識にうめき声が漏れてしまい、
それを聞いたワンダーハートは実に嬉しそうに、
ワンダーハート
「んっふっふ……どーお?
こうすると気持ちいいって本で読んだの」
ワンダーハート
「茎の部分をしこしこーってしてあげながらぁ……」
ワンダーハート
「さきっぽの段差を、指先でくりくりーって……」
ワンダーハート
「…………あ、あれ? 王子? おーうじー?」
――頭が真っ白になりそうだった。
自慰であれば手加減が出来る。
通常の性交であっても、
攻めるのがこちらであれば快感の制御が出来るだろう。
ワンダーハート
「おーうじっ? おーうーじーっ?
気持ちいいのかな……言ってくれないと分からないよー?」
違う。違うのだ。
ワンダーハートの淫らな手技は、
手綱の切れた暴れ馬のように、一切の容赦なく、
一瞬たりとも隙の無い快感を肉棒に刻んでくるのだ。
ほんの少しでも気を緩めれば、即座に果ててしまう……。
そんな絶望的な状況下だからこそ、
俺はワンダーハートに返事を返すことが出来ないのだ。
ワンダーハート
「むーむー。王子黙っちゃった……。
ここかなぁ……こういう責め方の方がいーい?」
ワンダーハート
「しこしこー♪ すりすりー♪」
ワンダーハート
「遠慮しないでぴゅぴゅしていいんだからねー♪」
こんな短時間で、年端も行かぬ娘に、
手だけで絶頂に導かれたとなっては、早漏の誹りは免れない。
まだ果てるわけにはいかない……。
何か、打開策は無いかと、
苦し紛れに思いついたことを口に出す。
ワンダーハート
「えっ? なになに?」
ワンダーハート
「……スカートの……中がみたい?」
ワンダーハート
「王子って……筋金入りの変態さん……?」
……苦し紛れの戦術ではあったが、
一時的に肉棒を扱く手を止めることが出来た。
――早漏か、変態か、
どちらの称号がより無難なのかは、後で考えることにしよう。
ワンダーハート
「じゃぁ……はい、どうぞ♪」
ひらりと、丈の短すぎるスカートがめくられ――
ワンダーハート
「あっ、王子のびくんってなった」
何も、履いて、ない、だと?
ワンダーハート
「そうよ? 普段から、ずーっと♪」
――普段から、何も、履いてない、だと?
衝撃的な事実を前に、
尿道括約筋が無防備になったことを自覚する。
慌てて股間に力を込めるが、
我慢汁がくぷりと溢れ出してしまった。
ワンダーハート
「あっ! 何か出てきた……これが我慢汁ね……」
ワンダーハート
「もっともーっと出していいんだからね?
せーの、しこしこー♪ すりすりー♪」
短すぎるスカートで、どうして下着が見えないのかと、
常日頃から疑問に思っていたが、
どうやらそれ以上の大問題だったらしい。
混乱した思考故に、
自制のかせが次々と外れていくのが自分でもよく分かる。
彼女の手技はその激しさを一段と増し、
もはや背筋を駆け巡るのは快感を超えた、
落雷の如き暴力的な気持ちよさだった。
ワンダーハート
「しっこしっこ♪ すっりすっり♪」
ワンダーハート
「すっごーい! 王子、いーっぱい我慢汁溢れてるよ?」
ワンダーハート
「イきそう? イきそうなの?
言わなきゃ分からないよぉ~?」
死ぬ。殺されてしまう。
ワンダーハートの手でイき殺されてしまう。
抵抗しようにも、両手は寝台に縛られ、
俺に唯一許されたのは、ただ射精することのみで――
ワンダーハート
「はーい、びゅーびゅーしましょうねー♪」
――びゅーッ!! びゅーッ!!
脳裏を染めるのは、白一色だった。
限界まで我慢を続けた反動で、
尿道を駆け上った精液は、まるで噴水のように、
ワンダーハートの上に降り注いでいる。
ワンダーハート
「ふわぁっ!?」
ワンダーハート
「これが精液かぁ……うへぇ、ぬるぬるしてるぅ……」
ワンダーハート
「んっ……味もあんまり美味しくなーい……」
美味しくないと言いつつ、
彼女は指に絡んだ精液を、丹念に舐め取っていく。
不味いなら無理をしなくても、と問うてみるが、
ワンダーハート
「いーのいーの。王子の精液なら舐めてあげたいし?」
そういうものなのだろうか……。
ワンダーハート
「そうそう♪ あっ、それにしても……、
さっきの冗句は久々に決まったんじゃない?」
じょーく……?
ワンダーハート
「道化師の本分は冗句と風刺、さっきの履いてない発言は、
久々に王子の直撃したんじゃないかなぁって♪」
下着を付けていないというのは、冗談だったのか……。
ワンダーハート
「へっへぇ♪ 半分ね♪」
――半分は本当なのか……!?
ワンダーハート
「さぁてどうでしょう?」
不敵に笑うワンダーハートは、
先程精液を発射したばかりの愚息を再び握り、
ゆっくりとしごき始める。
いったい何をするつもりなのだろうか……。
ワンダーハート
「答えが知りたかったら……もう一回イこっか♪」
そうして俺は、朝を迎えるその瞬間まで、
強制的に精液を搾り取られ続けたのだった……。