ラキュア寝室2 シーンテキスト
ラキュア
「お、王子……?
な、何をするのだ……?」
汚れのないシーツが覆うベッドの上で、
ヴァンパイアロードの少女は、
普段見せないような不安げな表情を浮かべていた。
ラキュア
「予の使い魔で、先ほど淫夢を享受したはずだぞ……。
これは夢ではないのだ……予は、現実だ……
即刻このようなことは止めるのだ……」
上位の者のみがまとう、
他を圧倒する雰囲気は既にどこにもない。
俺に組み敷かれたラキュアは、ただの無力な少女だった。
吸血衝動を抑え、
長らく人の血を吸っていないことの証明が、
眼下のラキュアの懇願だった。
ラキュア
「頼む……変な気は起こさないでくれ……。
使い魔がかけた暗示がとけきっていないのだろう?
もうしばらくの我慢だ……これ以上はお前を不幸にするぞ」
知ったことか。
俺は既にこいつを犯すと決めている。
それはずっと前からの約束のようにさえ感じていた。
何故かは知らない。
夢だとか現実だとか、そんなことにはもう興味が無い。
俺はただ、ラキュアを自分のものにしたいと願っているのだ。
ラキュア
「お前が本当に欲する相手は、予の使い魔が見せた淫夢の相手だ。
お前の情欲を真に満たせる相手以外と肌を重ねることに
なんの意味がある? 肉欲に溺れるのなら、貴様はただの獣だぞ」
べらべらとよく喋る口だな、
と俺は苛立ち混じりに
ラキュアの小さな唇をキスで塞いだ。
ラキュア
「ふむぁ……ぁ……む、ふぁあっ……ちゅ、ちゅむ……
ちゅる……ぷぁ……はぁ、ぁっ……だめ、だと……、
言ってるだろうに……なぜ、やめない……王子……」
そんなの決まっている。
俺はお前が欲しい。
淫夢の中で俺を犯したお前を犯してやりたい。
ただ凄絶に。
ただ苛烈に。
爛れた欲望をぶつけ合いたいと願っているんだ。
ラキュア
「――っ!? 淫夢の中の相手が、予だと……?
どういう……こと……それは……其方が、予を……?
そんなこと、信じられ――ひぁッ……」
俺は乱暴に、彼女の漆黒のドレスを引き裂いた。
下着をつけていない……?
いやつける必要などないのだ。
まるで幼女の身体だ。
小さな胸の膨らみ、愛らしい色と小さな突起。
遮る茂みのない無垢な秘部。どれもが背徳的に美しかった。
ラキュア
「お、王子……だめだ……予は、怖い……
予はこのようなこと、したことがないのだ……
恥ずかしくて、死んでしまいそうだ……」
ヴァンパイアが死ぬ?
死ぬだって?
灰になっても蘇った貴様がか?
ラキュア
「でも怖いんだ……予は、其方となら……、
お願いだ……言葉を……予に与えてくれ……お前の、
お前だけの愛の言葉を……それだけで、いいから……」
うっすらと深紅の瞳が潤み始めている。
その光景に、苛虐の念が鎌首をもたげ始めた。
ああいいぜ、言葉くらいならいくらでも吐いてやる。
好きだ。愛している。お前が欲しい。これで十分か?
ラキュア
「ああ……それで、いい……予も其方が……
いッ! ぁ、いた……いたぃ……そんな……」
俺は既にガチガチに勃起していたペニスを、
ラキュアの秘部にこすりつけていた。
パンパンに膨らんだ赤黒い亀頭が、
ラキュアの未成熟な薄い肉扉を
無遠慮にこじ開けていく。
ラキュア
「んんっ……ぁ、いっ……ぁあッ、はいって……くる……、
王子、こわい……こわいのだ……手を、握って……
握って……ほしいのだ……頼む……」
……?
彼女の言葉が理解できない。
ただ差し出された小さな両手を握ってやった。
震えている。
なぜだ。お前はあんなにも俺を犯したというのに。
なぜ泣いているのだ? あんなにも淫らに笑っていたくせに。
ラキュア
「王子……もっと……優しく……
頼む……ひくっ……ふぇ……うぅ……」
その哀切を含んだ泣き声が、
ふいに俺に明瞭さを取り戻させた。
この光景はなんだ?
俺は何をしていた?
なぜ、ラキュアが泣いている?
ラキュア
「ふぁッ……ぁあっ、ふぅ、ぁあ……王子……、
ようやく……ふぁッ……もとに……もどった、のか……?」
頭の奥底に鈍痛が我が物顔で居座っている。
何度頭を振っても振り払えない。
俺は、なんてことをしていたんだ。
俺と彼女の繋ぎ目からは、
泣きはらしたような赤い筋が流れていた。
ラキュア
「だ、大丈夫だ……今は、そう、痛くはない……ただ、
もっと言の葉を、予に……愛を……紡いでくれ……人の子よ……
予は其方が好きだ……其方は……どうなのだ?」
俺は反射的に応えた。
何と言ったかは重要じゃなかった。
ただ、心の叫びが声にのって飛び出していた。
ラキュア
「そうか……そうなのだな……予は、もう怖くないぞ……、
もっと其方を……感じさせてくれ……人の優しさを……、
あたたかみを……ぬくもりを……もっと……」
俺は腰を動かし始めた。
ゆっくりと、ただゆっくりと、
ラキュアの心に入り込む道を探すように。
ラキュア
「ぁあっ……は、んっ……んぁ……はぁ、あぁっ……
これが、交わるということ……んんっ、なのだな……
なんて、尊いんだ……ふぁっ、ぁぁ……」
互いが握る手が、
より強く相手を求め、
強く結びついていく。
ラキュア
「ひぁっ、そんな深く……王子が、はぁっ……ぁあんっ……、
入ってくる……予の膣中を、広げて……ゃあんっ……ぁっ……、
誰も受け入れたことのない……場所に……入って、くる……」
ラキュア
「もっと……強くして、いいぞ……なに、痛みには強い……、
灰になっても、蘇るのだ……んっ、ぁっ……もっと、予を、
愛してくれ……人を信じてよかったと……実感させてくれ……」
金砂をまぶしたような美しいブロンドが、
うっすらと汗の浮かぶ額にはりついている。
興奮と快楽に火照った頬が、
美しい顔を可憐に映す。
すべてが愛おしかった。
ラキュア
「あ……ふぁっ……んんっ……すご、いッ……
こんなの……知らない……大好きという言葉では……足りない、
もっと、言葉が……欲しい……王子ぃ……ひぁああんっ……」
互いに言葉を投げ合う。それだけでは
どうしても伝わらないと分かっていても、彼女の叡智は
この感情を世界に宣言したいと願っているようだった。
ラキュア
「ン……っ、あっ、ひぁ……あんっ……だめ……だ……、
何か……くる……予はどうなって……このままでは……んっ
いやっ……んぁ……おかしく、なる……予が予でなくなる……」
ラキュアの膣中が俺のペニスを恋しがるように絡みついてくる。
膣内の肉の感触が、際限のない快楽の激流となって
俺の身体を飲み込んでいく。
互いに限界が近づいていることに気づくと、
俺達は視線を向け合って、言葉にならない想いを伝えた。
ラキュア
「いいぞ……出して、くれ……ふぁっ、ああっ……
灰から蘇ったあの日から……こうなるような……んっ……
気はしていた……ふぁっ……ぁっ、出して……いいのだ……」
情欲の放流の中で離ればなれにならないようにと、
俺達は互いの手を強く握った。
ラキュア
「ひゃっ、あァ、ぁんッ……これがイくということ……なのか?
ああっ……もう、だめ、だ……イく……イってしまう……、
王子……共にイこう……ひとりは……いやだからな……ふぁッ……」
彼女の言葉に頷きながら、
俺はラキュアの最も深いところへ自身を突き上げていく。
ラキュア
「ひぃあッ……ゃぁっ、んんっ、王子……そのまま……、
ああンッ……出して……くれ……ふぁっ……いいから……、
遠慮など、いらない……ふぁ、あっ、ゃぁアアンッ!!」
ラキュアの身体がはねるように何度もひくつき、
それに付随して膣中の肉ヒダがペニスを抱きしめた。
その抱擁に促されるがまま
俺は盛大に白濁の欲望を注ぎ込んだ。
ラキュア
「ひぁあッ……いゃッ、ンぁあ、ふぁッ、ぁあ……、
いっぱい……いっぱいになっていく……王子の……、
熱いほどの想いが……ひぁッ……やけるほどに……あ、ぅ……」
精魂が尽きてしまったかのように、
俺達は力なく抱き合った。
すぐそこにラキュアの顔がある。
病的なまでに白い肌と、深紅の瞳が、
人には為し得ない美しさを湛えていた。
ラキュア
「乱暴にも……ほどがあろうに……ばかもの……」
すねたような声音に謝りかけたが、
その顔は、優しさとも呼べる微笑が浮かんでいる。
代わりに、
次はもっと優しくするよ、と返した。
ラキュア
「そういうことでは……もう……其方といると、
予はまるで幼子になったような心持ちがする……
だが悪くない……ああ、悪く、ないのだ……」
満足そうにそう呟くと、
ラキュアはゆっくりと寝息をたてはじめた。
深淵の叡智と永劫の時を生きる不可思議な怪異は、
俺の腕の中で、途方も無い安らぎを抱えて、
無垢な子供のような寝顔を浮かべていた。