メフィスト寝室1 シーンテキスト

メフィスト
「くッ……これは、どうしたことか……」

眼前に悩ましげに眉をひそめる美女の姿がある。

人の身には有り得ぬ漆黒の翼と、
高貴さすら感じさせる角を備える美貌と相まって、
見る者すべてを魅了するほどにメフィストは美しい。

……のだが、

メフィスト
「勃起度は、現状においては40%といったところか?」

などと訳のわからぬことを言いながら、
むき出しになった俺の愚息をなで回している。

見れば、もう一方の手には分厚い本があるのだが……。

メフィスト
「物質界にある東の国から取り寄せた房中術の書籍だ。
なかなかの名著だと言われているらしいぞ」

いや、そうではなくて……。

メフィスト
「ふむ……どうして、君の生殖器官は、
きちんとした固さを未だ備えないのだ?」

メフィスト
「これでは噂に聞く、
人間の射精を見ることはできないではないか」

メフィスト
「なぁ、頼む、王子。
意地悪なことはやめて、さっさと射精してくれないか?」

と、先ほどから射精しろ射精しろ、とせがまれている状況なのだが、
好奇心旺盛なメフィストがまさか人間の――しかも雄の性事情に
興味を持つとは思わなかった。

メフィスト
「仕方ないだろう?
この世に知らないことが存在するというのは、
あまり良い気がしないのだからな」

メフィスト
「まぁこれも、
物質界への知識を増やすための一環だと思って、
協力してほしい、王子」

そうは言われても、
こうして事務的に愚息をシゴかれたところで、
性的な興奮はあまり沸き立ってこないのが本音だ。

メフィスト
「ならば、どうしたらいい?」

メフィスト
「書籍による知識の取得にも限界があるのでな、
君のような達人に教えてもらうのが一番だと思ったのだが……?」

何の達人だか知らないが、
彼女が困っているというのなら、
協力は惜しむ気は――勿論ない。

何故なら俺は、日々の戦いや政務において、
彼女の深遠なる叡智の恩恵に預かっている身だからだ。

射精一回で恩返しできるなら安いものだと言えよう。

メフィスト
「……で、まずはどうしたらいい?」

そうだな――と、
俺は少しずつ射精への導き方を説き始める。

メフィスト
「――なっ……か、髪? 私の髪を使うのか?」

メフィスト
「ふむ……なるほど、
こうして……生殖器官に巻き付けることで、
人間の雄は性的興奮を視覚的にも触覚的にも覚えると……」

言いながら、彼女は美しく艶やかな蒼髪を
ゆっくりと男根に巻き付けていく。

不思議だ――日頃目にしている美しい髪だけに、
メフィストの身体の一部が自分の汚らわしい愚息を
包み込んでいく景色に妙な興奮を覚えていた。

メフィスト
「お……君の言ったとおりにしたら、
先ほどよりも生殖器官が硬くなっているような気がするぞ」

メフィスト
「……え? オチ○チン?
なんだ、それは……?」

メフィスト
「なるほど……ペニス、オチ○ポ、肉刀などなど、
いろいろと呼称が存在するのか……」

関心に次ぐ関心を享受しながらも、
メフィストはゆっくりとペニスをシゴいていく。

そうして、うっすらと零れ始めた先走りのぬめりが、
彼女の艶やかな髪に触れ、ぬちゃぬちゃと音を立てていく様は、
純粋な刺激以上の興奮を俺に与えた。

メフィスト
「そ、それにしても……どうしてだろうか……?」

メフィスト
「君のオチ○チンを……こうして、シゴいていると、
……なぜだか、妙な気分になってくる……」

メフィスト
「胸の奥が、チクチクとうずくような……」

メフィスト
「……それに、心なしか息が……荒く……んっ、
はぁ、ぁ……なっていく……ような……」

もしかして、彼女も興奮しているのだろうか。

メフィストは生物学上は、雌に分類される。

だからこそ、雄の象徴を長時間に渡って握っていれば、
ある程度の情欲を孕んでしまうのも無理はないのかもしれない。

メフィスト
「そうか……これが、性的興奮なのか……」

メフィスト
「悔しいが……私も、女なのだな……」

くっ、と羞恥に頬を染めながら眉をひそめ、
彼女はより激しく男根をシゴいていく。

気づけば、彼女が持っていた本は床へと放られ、
手透きになった左手がもどかしそうに開いたり閉じたりしている。

メフィスト
「……え? 胸を見せろ?」

メフィスト
「なるほど、衣服で覆われている部分を晒すことで、
眼前に生殖に適した雌がいることを意識したいというわけか」

納得しながら、彼女は左手で胸部の衣服をずり下げる。

そして――ふるん、と豊かな乳房が姿を現す。

メフィスト
「そ、そんなにじっと見つめるな……恥ずかしいではないか……」

だが、見なくては興奮できない。

というより、少しくらい触ってみないと、
射精に至ることは出来そうにないかもしれない、と彼女に告げると、

メフィスト
「――なっ!? わ、私の胸に……触りたいと、いうのか?」

メフィスト
「むぅ……そんなことを言われたのは初めてだが……」

メフィスト
「これも、射精を見る為だ……特別に許可しよう」

助かるよ、と俺は右手で彼女の片方の乳房に優しく触れる。

メフィスト
「……んっ……」

ぴくん、と小さく身じろぎし、メフィストが声を漏らす。

そんな初々しい反応が可愛いらしく、
俺はそのままやわやわと豊乳を揉みながら、
徐々に中央の尖塔へと指先を這わせていった。

メフィスト
「やぁ、ん……ま、待て……
なぜ、そんなに妙な手つきで……ふぁっ、ぁ……」

メフィスト
「んんっ……声が、出て……あっ、ん……く、ふぅぅ……」

あまりの感度の良さに驚きながらも、
男根への奉仕をしている
手の動きがやや鈍くなり始めていることを注意する。

メフィスト
「わ、分かっている……ンッ、ぁ……、
わかってる、からぁっ……あっ、ぁぁ……はやく、射精しろ……」

そんな風に命令されて悦ぶ雄もいるが、
今ここにあっては、あまり効果的とは言えない。

それに、メフィストは現状においては願い出る立場だ。

だから俺は、他者にものを要求する時は、
それなりの誠意を見せるのが物質界の理であると教える。

メフィスト
「……んっ、ぅぅ……じゃ、じゃあ……」

メフィスト
「射精して……ください……」

もっと思考を働かせないと射精にはほど遠いぞ、と
少しばかり厳しいとは思いながら彼女に忠告しつつ、
数種類ほどの性的な懇願の作法を教え込む。

メフィスト
「うぅぅ……なかなかに難儀なものだな……」

そうして、先走りでベタベタになった自らの髪で包んだ男根を
より素早くも淫らな手つきで愛撫しながらメフィストは言う。

メフィスト
「お、お願いします……ご主人様……」

メフィスト
「ご主人様の……エッチな、オチ○ポミルクで……、
メフィストのお顔を……どろどろに汚してください……」

――ッ!?

平時ならば決して言うはずのないメフィストの言葉と、
切なく荒ぐ息づかい、そして右手に感じる柔い乳肉の感触。
それら全てが合わさった所為で俺は盛大に射精してしまった――。

メフィスト
「――ひゃぁんっ!? んっ、ふぁあっ……!?」

びゅっびゅぅっと勢いよく飛び出した精液が、
メフィストの美麗な顔に次々と直撃していく。

メフィスト
「そんなっ……これほどまでに、激しいものだとは……んんっ……、
やっ、ぁあん……それに、なんて生臭い……あっ、ぁあっ……!」

メフィスト
「ま、待て……これ以上は……はっ、ぁあん……、
わかった、からぁ……もう、止めるんだ、王子……やぁ、ンっ」

ペニスを握ってない方の手で、
打ち出される精液を防ごうとするメフィスト。

だが、既に彼女の美しい顔や髪は、
白濁の粘液で見事に汚されており、
ただただ無駄な足掻きとなってしまう。

メフィスト
「は、うぅぅ……これが……射精……なのか……」

メフィスト
「吐き出された精液も……
書物で得た知識通り、なんとも面妖な風味だが……」

メフィスト
「……不思議と、いやではない……」

メフィスト
「この感情を……どう形容すればいいのだろうか……」

気づけば、彼女の上気した顔には、淫らな微笑が浮かんでいる。

吐き出される吐息にも熱がこもっている。

もしかして……

メフィスト
「ああ……どうやら、発情……してしまっているようだ……」

メフィスト
「だが……ちょうどいい……」

メフィスト
「このまま、異種による交尾によって獲得できる性的快楽と
……それによって生じる興奮度の計測に付き合ってくれないか?」

そう言うなり、彼女はあらかじめ用意してあった濡れ手布で
顔と髪を拭くと、俺をベッドへと押し倒した。

メフィスト
「すまないが……まだまだ寝かせてやれそうにないみたいだ……」

メフィスト
「王子……今宵は、君の体を徹底的に調べさせてもらうからな……」

何かのスイッチが入ってしまったのか、
メフィストは淫らな笑みをにじませながら、
俺の頬にゆっくりとキスをするのだった。