ヘレナ寝室3 シーンテキスト
――ヘレナの私室。
彼女と二人きりでの机上演習は白熱し、
気付けばとっぷりと、日が暮れてしまっていた。
ヘレナ
「……なるほど。悪くない手ね」
ヘレナ
「けれど自分にいくら実力があるからって、
最前線に突出すると……こうなるのよ?」
机の上には小さな模型がいくつも並べられ、
俺の扮する王国軍と、ヘレナの扮する敵軍との、
架空の戦場の有様が再現されていた。
最初こそこちらが優勢だったのだが、ヘレナの奇抜な、
しかし丁寧に、幾重にも張り巡らされた作戦により、
俺の模型軍はもはや、風前の灯同然の戦況であった。
ヘレナ
「ふふっ、この調子なら、
今夜も主導権を握るのは私の方みたいね」
ヘレナ
「いい加減に、王子の方から、
熱烈に攻めて欲しいのだけれど……」
――机上演習に勝った方が、
その夜の間、相手を好きにして良い。
それがここ最近の、ヘレナとの取り決めであった。
憎からず思っているヘレナの身体を、
思うがままに貪れるという魅力的な提案に、
最初こそ心躍ったものではあったのだが……。
ヘレナ
「そろそろ降参?
これで……えぇと、百連勝かしら?」
いいや、まだだ……ッ!!
ヘレナの百連勝を阻止すべく、
ごく僅かな隙を突き、自分を模した駒を、
その能力まかせに敵陣奥深くまで突撃させて、
ヘレナ
「そんな力任せな……って、えっ? 嘘……?」
ヘレナ
「……詰んでる」
半ば偶然の、ほんの少しの隙間を縫うような、
決して褒められた戦法では無かった。
しかしヘレナは、呆然としたまま、
あらゆる手を試した上で、頭を抱えてしまって、
ヘレナ
「ま、負けたぁー……。
ほとんど反則みたいな手だけど、これは確かに私の負けだわ……」
ぷくっと頬を膨らませているのは、
戦術の専門家としての誇りが傷ついてしまったからだろうか。
ヘレナはしぶしぶといった体で、
中途半端に衣服を脱ぎ捨てながら、
どさりと寝台に仰向けに寝転がって、
ヘレナ
「……じゃあ、ご褒美あげなくちゃね」
ヘレナ
「勝者には報酬があって然るべき。
私も王子を、目一杯抱かせてもらったんだし……」
ぷるりと震える、白い双乳。
そしてどこか期待の色を浮かべたヘレナの表情が、
愚息に劣情を灯し、大量の血液を流入させていく。
ヘレナ
「どうぞ、召し上がれ。
天才戦術家たる私を倒したご褒美、ちゃんと受け取ってね……?」
ごくりと、無意識に喉が鳴る。
もどかしさを覚えながら、こちらも衣服を脱ぎ捨て、
麗しの肢体に襲いかかろうとしたところで、
ふと、ひとつの問題点に気がついた。
ヘレナ
「……えっ? 下も脱がせたい?」
ヘレナは、上着は自ら脱いでくれていたが、
細く引き締まった下半身を覆う、
滑らかな衣装はそのままであった。
腰を浮かせてくれないと、
上手く脱がしてやれないのだが……。
ヘレナ
「…………」
……ヘレナ?
ヘレナ
「勝者の権利ということで、こういうのはどう……?」
ヘレナ
「無理やり襲っている風に、破ってみる、とか……」
顔を真赤に染めながら、
ヘレナはそんな提案を投げてきた。
再び、己の喉が鳴るのが分かった。
高鳴る鼓動と、荒くなる呼吸を自覚しながら、
ゆっくりと頷き返し、ヘレナの脚に手を伸ばして、
ヘレナ
「……んっ」
爪を引っ掛けるようにしながら、
ヘレナの白く美しい脚を覆い隠す、
薄い布地を引き裂いていく。
帳の隙間から、雪景色を垣間見るかのような興奮が、
否応なく愚息を奮い立たせ、この後に待つだろう、
ヘレナとの甘い一時への期待が高まっていった。
ヘレナ
「……なんでそんなに、楽しそうなのかしら」
ヘレナ
「……えぇ、楽しそうよ?
だって……王子のオチ○ポ、いつもより元気になっているもの」
愚息の興奮だけは、自分の意思では隠せないのだ。
ヘレナは仕方ないなとでも言うように、
苦笑しながら、両脚を大きく広げて、
ヘレナ
「ふふっ、隠さなくていいわ。
だって、私で興奮してくれているんでしょう?」
否定など、一切出来なかった。
しかし、反論する余地だけは、
こちらにも残されていたのだ。
ヘレナ
「……えっ? わ、私も興奮してる……?」
ヘレナ
「濡れてるだなんて、そんな……えぇと……あっ……」
己の秘所に触れたヘレナは、その濡れ具合を知ると、
何とも言えない、恥ずかしそうな表情で、
ヘレナ
「……興奮度合いの勝負は、引き分けってことで」
そういうことにしておこう。
これから男女の交わりを始めようというのに、
奇妙で、どこか可笑しな空気が二人の間にはある。
こんな関係を、とても尊いものであると噛み締めながら、
俺は硬く張り詰めた愚息の先端を、
しっとりと濡れたヘレナの秘所にあてがった。
ヘレナ
「ひぁっ……うぅ、いつもこの瞬間だけは、緊張するわ……」
天才戦術家でも緊張することがあるのか……。
ヘレナ
「あ、当たり前でしょ!
だって……これから王子と……大好きな人と、
えっちなこと、するんだか……らぁ……ひぁあっ、んぅぅっ!!」
陽光のようなぬくもりに満ちた膣道に、
肉棒をゆっくりと押し入れていく。
ヘレナ
「んぅ……あぁっ……っ!
お、王子の……入って……あぁあっ!!」
ヘレナ
「いつもより……大きい気がするぅ……」
ヘレナが可愛すぎるのだから、
愚息も肥大化しようというものだった。
互いの性器をなじませるような、
ゆるやかな抽挿を繰り返していると、
ヘレナは更に抗議の声を上げてくる。
ヘレナ
「ひやぁ……っ! んぁっ、ひやぁん……っ!!
んぅ……王子のオチ○ポ……やっぱり大きく……ぁああっ!!」
ヘレナ
「も、もうちょっと小さくならない……?
ちょっとこれ……気持ちよすぎて……すぐイっちゃいそうで……」
そうやってヘレナが可愛らしい表情を見せるものだから、
愚息が更に興奮してしまうのだという事実を、
彼女はちゃんと理解しているのだろうか……。
ヘレナ
「……オチ○ポ、勝手に大きくなるって言ってたものね」
ヘレナ
「うぅ……じゃあせめて、顔だけ隠させて……?
こんな快楽に乱れた顔……かわいくないでしょ……?」
ヘレナ
「……ひぁっ、えっ、えっ?
どうして手を繋いで……ひやぁああっ!?」
恋人同士がするように、指を絡めて、
ヘレナの、顔を隠していた手を取る。
こんなに甘くとろけた表情を見せてくれないとは、
ヘレナは随分と酷いことを言うものだった。
ヘレナ
「や、やだっ……こんなの、恥ずかし……ひぁあ……っ!?」
ヘレナ
「ふぁああっ……んやぁああっ!!
奥、奥来てるぅ……ぅあぁあっ……!
王子のオチ○ポっ、ひぁっ……奥、あたってぇ……っ!!」
ヘレナ
「んぁあっ……すき……ぐりぐりってされるのぉ……っ!
王子にいじめられるの……すき……すきぃ……っ♪」
肉棒で子宮口をこつこつと叩きながら、
ヘレナの感じる場所を探っていく。
ヘレナ
「んぅぅぅ~ッ!! ひぁっ、ああぁッ、ひにゃあぁんっ!?
そこっ……そこだめっ……すぐイっちゃうぅ……っ!!」
ざらざらとしたヘレナの蜜壺を、
擦り上げるように肉棒を動かすと、
明らかに喘ぎの色が変わっていく。
やはり、如何なる天才と言えど、
如何なる戦術をもってしても肉棒には敵わないのだろう。
ヘレナ
「ちがっ……ちがうぅっ……違うかりゃあ!
オチ○ポになんて負けな……ひぁっ、ひやぁああんッ!?
負けない……負けてないのぉ……ッ!!」
――本当だろうか? こんなにビクビクと震えているのに?
ヘレナ
「ひやああぁあぁ――ッ!?」
ヘレナ
「そ、それはぁ……っ!! んぅっ、んやぁああっ!!
王子が……王子のせっくすが気持ちいいからで……ッ!!」
ヘレナ
「オチ○ポに負けたんじゃないのぉ……ッ!!
大好きにゃあっ……王子に襲われてりゅからぁっ!!
だから……ひぁあっ、気持ちぃ……いいのぉ……ッ!!」
ヘレナ
「ふぁあっ……そう、そうなのぉぉ……ッ!!
王子のオチ○ポが……王子がいいのぉ……っ!」
ヘレナ
「王子にぃ……っ!!
王子に犯されりゅのがぁ……!
すきぃ……しゅきなのぉ……っ!!」
感情の堰が壊れたかのような、ヘレナの告白に、
胸に宿った熱と、渦巻く快楽が勢いを増していく。
ヘレナ
「やぁあああんっ!! ふぁっ、ひやぁああんッ!!
すきっ……すきすきすきっ……王子がすきっ、だいすきぃっ!!」
愛の言葉にしては、少しばかり幼い言い回しだった。
されど、普段は尊大な顔を見せるヘレナが、
その素直な気持ちを声に出して伝えてくれるという事実が、
心をときめかせ、同時に際限なく劣情を高めていく。
もはや、後数度の抽挿の間に、愚息は果ててしまうことだろう。
しかし、その前に――
ヘレナ
「ひぁっ……? お、王子……も……?
王子も……私のこと……ひぁあっ……えへ……えへへ……」
ヘレナ
「うれし……んやぁっ……嬉しいのぉ……っ」
ヘレナ
「ふぁあ――ッ!! ひぁっ、も、もうっ、イっちゃ……っ!!
イっちゃう……ッ!! ふぁああ……ッ!!」
ヘレナ
「王子……王子ぃ……っ!
全部ぅ……全部、膣中で出してね……?
ひぁあっ……私の中で……っ……全部ぜんぶ出してね……っ?」
余裕のない状況で、
しかし、しっかりとヘレナに頷き返す。
そして子宮に直接精液を注ぎ込むべく、
深く深く肉棒を叩きつけて――
ヘレナ
「やぁあっ……ひぁっ、あぁあああぁ――ッ!!」
二人の交わった証を、ヘレナの中心に注ぎ込む。
尿道を駆け上がる精液は止まらず、
びゅくびゅくと子宮に流れ込み続けた。
ヘレナ
「ひぁっ……ま、まだ出て……んぅぅぅっ」
ヘレナ
「どうして……王子はこんなに出すかな……。
確か受精には……量はそこまで関係ないと……」
ヘレナ
「む……。むぅぅぅ……?」
ヘレナ
「そういう告白めいた言葉は、もう少し雰囲気のある場所で、
時間と状況を選んで言って欲しいかな……」
偽らざる本心を告げてみたのだが……。
ヘレナは随分と、疑わしそうな視線をこちらへ向けながら、
ヘレナ
「こんな状況で言っても、
身体目当てだと思われて終わりじゃない……?」
――俺が身体目当てだと思っているのか……?
ヘレナ
「思ってる」
ぐっ……。
ヘレナ
「だって、毎晩机上演習してたの、私を抱くためでしょ?」
ぐぬぬっ……。
ヘレナ
「でも……大丈夫よ?」
…………?
ヘレナ
「身体だけじゃなくて、私の心も目当てでしょ……?」
ヘレナ
「…………な、なんで黙ってるのバカぁ!!」
突然のことに、呆気にとられてしまっただけだった。
謝罪の言葉を述べながら、深く頷き返してみせると、
ヘレナはやれやれ、といった様子で、
まっすぐにこちらを見つめながら、こう言ってくれたのだった。
ヘレナ
「ほんと……信じがたいくらいの大バカなんだから……」
ヘレナ
「ばか王子、ちゃんとこの天才を、
ずーっと! 一生! 隣に置いておきなさいよ?」