プニル寝室1 シーンテキスト

がさがさ、ごそごそ。

──妙にくすぐったい感触がして、ふと俺は目を覚ます。
寝ぼけたままぼんやりとまぶたを開けると、飛び込んでくるのは
暖炉の炎に照らされた、見慣れた寝室の光景だ。

ところがベッドの毛布がはぎとられ、俺の下半身の上に、
一人の少女が覆いかぶさっていた。
誰だ? 炎のつくる濃い影に溶ける、黒い肌をした彼女は……。

プニル
「ぺろぺろ、ちゅっ」

いつの間に脱がされたのか──俺のむき出しのナニを舐めていたのは、
なんとプニルだった。いったいなにが起きているのだろう?
それに、いつも一緒のフェンリルは?

どうにも寝起きなため、頭がついていかないようだ。

プニル
「れろれろ、かぷっ」

しかし、つたない舌の感触がたまらない。
しばし俺は夢心地で、快楽に身を任せた──。

プニル
「ちゅぱっ……ん。どうだ、がお?
プニルのお口は、小さくて気持ちいいがお」

ナニをくわえこんだまましゃべると、また刺激が変わっていいものだった。
びくびくと、ついこっちの腰が反応してしまう。

プニル
「そーかそーか。もっとしてやるがおよ。
ここ? ここがおか?」

プニルが満足気に目を細め、いっそう夢中でナニをしゃぶる。

しかし、さすがに頭がはっきりしてくる。
やはり、おかしい。なぜプニルがいきなりこんなことを?

プニル
「はむっ。気にせずプニルに任せるがお。
……今宵は、月に一度の新月がおよ。
この日はフェンリルの力が弱まるがお」

相変わらずナニをくわえたまま、プニルが応えた。

プニル
「だからプニルの意識が強く出せるがお。
それが証拠に、今フェンリルは側にいないがおよ」

確かにプニルの言うとおり、彼女の裸体に絡む長い布の端にも、
あの魔物はくっついていなかった。

まだ少し精神に影響は出ているようだが、彼女の言うとおり、
今はフェンリルと分離できているらしい。

プニル
「それでプニルは、王子にお礼にきたがおよ。
王子のおかげでプニルはまた、人のために戦えるがお」

プニル
「だから王子は、なにもしなくていいがお。
プニルに全部任せるがおよ。れろれろ」

小さな舌が這い回り、ナニががちがちに怒張した。
さすがにプニルの口ではつらそうになる。

プニル
「むぐっ、けほっ。こほっ!」

涙目でむせ返すものの、それでもいっそう一心不乱に
プニルは口で奉仕を続けた。

プニル
「じゅぽっ、じゅぱっ。
さて……そろそろいいがおかね」

十分に濡らした後、プニルがついに口を離した。

しかし今度は体に巻いた布すらはだけ、俺にのしかかってこようとする。

プニル
「気にしなくていいがお。
英雄王とまぐわうことで、巫女の力を高めるがおよ。
こうすればフェンリルの支配力を弱めることができるがお」

びちゃびちゃに濡れた下半身を擦りつけて、
プニルが色っぽい吐息を漏らす。

プニル
「だから、無理に迫ったがおよ。
王子……プニルに、欲しいがお。いいがおか?」

切なそうに懇願されては、俺も断る理由がない。
しょうがないな、と受け入れるだけだ。

プニル
「じゃあ……改めて、王子に命令して欲しいがお。
……王子のこと、食べていいがおか?」

わざわざプニルが念を押すかのように許可を求めてくる。
それは長らくフェンリルと繋がっていたせいだろうか。

いいぜ、と俺が苦笑しながら頷くと。

プニル
「やったがお! 王子に食べていいって命じてもらったがおー!」

満面の笑みを浮かべてプニルがはしゃいだ。
そのとき、ふいに生臭い息を俺は感じて、
はっとベッドの枕元に視線をやる。

するとそこには、闇に紛れて大口を開けた、丸っこい姿の魔物がいて──。

プニル
「いただきます、がおー!!」

フェンリル
『ガオオオオン!』

いきなりフェンリルがかぶりついてきた。
反射的に起き上がらねば、頭から食らいつかれていたところだ。

かわりにベッドの端が枕ごと、ごっそり消える。
俺はもちろん、慌ててフェンリルに「待て」を命じた。

フェンリル
『ガオオウ!?』

その場でフェンリルは、俺の命令に従って動けなくなる。

舌打ちするのはプニルだった。

プニル
「作戦失敗がおー! せっかくうまいこといってたのにがお!」

どうやら最初から、彼女はフェンリルと繋がったままだったらしい。
それで俺の命令には逆らえないため、あえて「食っていい」という許可を
得るための作戦だったか。

プニル
「まずいがお、そ、そろそろ限界がお……!」

しかも新月うんぬんというのも、最初から嘘だったのだろう。
ばらばらに行動できるのにも無理があったのか、プニルが慌てて
フェンリルの背中に戻った。

プニル
「ふうー、がお。やっぱりこれ、疲れまくるがお。
失敗したし、もうしないがお! やれやれがおよ!!」

……やれやれはこっちだ、と思うばかりだ。
拗ねたフェンリルとプニルはその場でふて寝を始めるが──俺の寝室は
めちゃくちゃだった。

それに、ナニはギンギンに勃ったままだ。
どうしてくれようか、と俺はこの魔物の扱いに、
今日も頭を抱えるのだった。