フィリーネ寝室3 シーンテキスト
フィリーネ
「…………ふん」
正直に言えば、泣きそうだった。
フィリーネの柔らかな蜜穴を前にして、
みるみるうちに、愚息はその力を失っていく。
不機嫌を体現するかのようなフィリーネは、
極めて事務的に、一切の愛想もなく、
今夜の交わりを進めていくのだから……。
フィリーネ
「ば、馬鹿者っ! 泣きたいのは私の方だ!」
フィリーネ
「何故? みたいな顔をするな!
お前は馬鹿だが甲斐性のある男だろう?」
フィリーネ
「うぅぅぅぅ~!!
何故女心が分からん! それでも王子か! 為政者か!」
やはり、彼女がどうして怒っているのか、
俺には予想すら出来ない。
俺は半ば懇願するように、
フィリーネに原因を尋ねてみることにした。
フィリーネ
「…………き、貴公のために、この、えぇと、
い、いやらしい下着を……用意したのだぞ……?」
フィリーネ
「だ、だから……その……」
今夜のフィリーネは、とても華やかで、
かつ艶やかな魅力に溢れた装いだった。
俺は心躍らせながら、フィリーネに素直な感想を述べたのだが、
もしやそれが気に入らなかったのだろうか?
フィリーネ
「ちがーう! 貴公が興奮してくれたのも、
褒めちぎってくれたのも嬉しかった!!」
フィリーネ
「天を衝く程に固くなった逸物など、
貴公の言葉が嘘ではないことを示していて最高にカッコよかった」
フィリーネ
「だが違う……違うのだ……」
フィリーネ
「もしかして覚えてないのか……?」
……覚えていない、とは?
フィリーネが何を言っているのか分からず、
首を傾げてみせると、彼女は大きく嘆息して、
フィリーネ
「……そうか、そうだったな、
泥酔していた貴公に、記憶力を求めた私の方が悪かったか」
フィリーネ
「先日の宴の折、泥酔してしまった貴公は私にこう言ったのだ」
俺が泥酔してしまった、先日の宴。
終わりがけにフィリーネとふたりで抜け出した、
一月ほど前の夜会のことか。
フィリーネ
「良いか、心して聞くんだぞ」
フィリーネ
「『おぉフィリーネ、こんな魅力的な女性に、
毎夜淫らな下着姿で迫ってもらえる未来の夫が羨ましいよ』と」
…………本当に?
本当に俺がそんなことを言ったのだろうか?
フィリーネ
「あ、いや、その、
一部私の願望も入っているがな……うむ、一部……」
フィリーネの願望が混じっていた、という言葉に、
非武装状態と化していた肉棒が、ほんの少し力を取り戻す。
我ながら現金なものだと内心で苦笑していると、
フィリーネは更に言葉を続けて、
フィリーネ
「だが、少しなりとも、ほんの一欠片でも、
私を妻に迎えたいと思ってくれたんだと考えたら、
ちょっと嬉しくなってしまってな……」
フィリーネ
「だから……こんな恥ずかしい下着をつけて、
今夜は貴公を訪ねたのだ……うぅぅ……」
フィリーネ
「わ、わわわっ、何だっ!?
何でそんな嬉しそうな顔をする! 気色悪いぞ!?」
フィリーネ
「ともかく……なんだ、その、
つまりな、妻にしてほしいとは言わないから……」
フィリーネ
「今だけ、妻にするように……な、
だ、抱いてほしい、というかだな……」
フィリーネに、こんなにも可愛らしい一面があったのか。
頬を赤く染め、恥ずかしそうにねだってくる様が、
挫けかけていた俺の劣情に再び火を灯す。
一度は失われかけた性欲の灯台、その灯りは、
今こうして、再興の時を迎えたのである。
フィリーネ
「んっ……な、何だか普段より大きくないか?
貴公、もしかして興奮していたりしないか……?」
興奮もしようというものだった。
帝国と王国、騎士と王子、
フィリーネは常に俺との間に、
一線を引くかのような立ち回りをしていた。
それが今夜に限って、その本音を漏らしてくれたのだから、
愚息にも力が宿ろうというものである。
フィリーネ
「ひ、ひとの性器を!
おち○ちんでぺちぺちしながら胸を張るなぁっ!!」
フィリーネ
「それに……そんなに焦らすな……。
貴公のおち○ちんを前にして、
私はずっとお預けを食らっていたんだぞ……?」
フィリーネの懇願するかのような瞳のゆらめきに、
俺は首肯をひとつ返すと、
潤いきった柔らかな肉の中へと、愚息を沈めていった。
フィリーネ
「んぁっ……ふぁぅ……やはり良い……。
貴公と繋がっていると心が安らぐ……」
いつまで安らいでいられるのだろうなと言う代わりに、
俺は肉棒を強く押し付けるように、
フィリーネの膣内を解きほぐしていく。
彼女が王国を訪れる度に交わってきたが故か、
彼女の膣肉はぴったりと吸い付くように、
しかし柔らかく俺を抱きしめてくれていた。
フィリーネ
「ひゃぅっ……んぅぅぅっ、んやぁっ……!
貴公、今夜は何だか……その……ちょっと上手いぞ……?」
普段は下手なのか? と問うてみると、
フィリーネはぶんぶんと首を横に振って、
フィリーネ
「ち、違うっ、違うぞっ!
私の惚れた男だ、世界一上手いに決まっているだろう!」
フィリーネ
「んぅっ、ひぁああっ……だ、だが、その……うぅ、
私の弱い所を……的確に攻めてくると……んっ、いうか……」
フィリーネ
「な、なにっ……? ひぅっ、んぁあっ!
あぁっ、わ、私の身体が、開発されて……きている……?」
フィリーネ
「……ふふっ、そうか。
あっ、ふぁっ……貴公が、
私をいやらしい身体に開発してくれているのだな……」
嫌だっただろうか、と問うよりも早く、
フィリーネはきゅうきゅうと、膣口で肉棒を締め付けてくる。
もしかしたら、照れ隠しなのかもしれない。
フィリーネ
「んっ……どうせ貴公以外に抱かれるつもりもない。
私が心に決めたのは……ひぁ……んぅっ……貴公だけ、だ」
フィリーネ
「存分に、私を貴公専用の、淫らな女にしてくれ」
…………。
フィリーネ
「…………わ……わぁあぁああッ!?
いや、待て、今のは無しだ!
そんな満面の笑みで見つめるな馬鹿者ぉ……!!」
フィリーネ
「…………忘れろ! 早く忘れろッ!!
カッコつけて言う台詞ではないというか……その、んぁあッ!?」
興が乗ってしまったのだろう。
あまりにも恥ずかしい台詞を紡いでしまったフィリーネは、
大慌てで前言を撤回しようとする。
しかし、せっかくの睦事の最中なのだ。
淫乱だと自己申告してきたフィリーネには、
最高の快楽を与えてやらねばなるまい。
フィリーネ
「ば、馬鹿者ぉ……っ!!
さっきのは言葉のあや……でぇ……っ!!」
フィリーネ
「ひやぅぅぅああぁっ!?
や、やめっ、こんなの気持ちよすぎて……んやぁあっ!?」
膣道全体を愛撫するように、深く速い抽挿を繰り返すと、
フィリーネの白い腹がひくひくと震える。
戸惑うような、抗議するような視線が俺を射抜くが、
彼女は口をぱくぱくと開けたり閉めたりするだけで、
どうやら何と言うべきか、言葉が見つからないらしい。
フィリーネ
「こ、このっ……後で覚えておけぇ……っ!!
私で遊んだ分、たっぷり貴公で遊んでやるからなぁ……!?」
フィリーネ
「ひぁっ、んやぁあっ!!
や、やだぁっ……どうしてこんな、びくびくして……んぅぅッ」
やはりそれは、フィリーネが淫乱だからではないだろうか。
あるいは――
フィリーネ
「……わ、私達の相性が良いからということにしておけぇ!
それ以上っ、んぅっ、い、淫乱と言うなぁ……!!」
フィリーネが否定の言葉を叫ぶ度に、
彼女の膣口はひくひくと甘く俺を締め付けてくる。
その刺激すら、彼女を興奮させる一助となっているのだろうか、
フィリーネは甘い嬌声を響かせながら、
徐々に呼吸を荒くしていった。
フィリーネ
「んっ、あぁっ、ひぁああっ!!
も、もうっ、早くイけ! イってしまえ!」
フィリーネ
「こ、このままじゃ……ひぁああっ!
ま、また変なことを言ってしまいそうなんだ……っ!!」
フィリーネの失言はどれも嬉しいものだった。
ならばやはり、今こそ、
我が愚息の底力を見せる時ではないだろうか。
フィリーネ
「変なやる気を出すなぁ……ッ!!
きゃぅっ、んやぁああ……ッ!?」
フィリーネ
「馬鹿っ、大馬鹿ものっ、
だから貴公と一緒にいると調子が狂うのだ……っ!!」
フィリーネ
「顔は良いのに意地悪だし……んぅっ、
こ、声も好きだけど変なことばかり言うし……」
フィリーネ
「一緒に飲みに行くと必ず襲いかかってくるし……。
私がやらしい格好すると、すぐにおち○ちん固くするし……」
フィリーネ
「ふぁっ、んあぁああ……っ!!
酔うと、その、か、可愛いとか言うし……っ!!」
フィリーネ
「き、貴公のことなど、
最初は何とも思っていなかったのに……っ!!」
抽挿を繰り返す毎に、フィリーネは堰が切れたかのように、
胸の内の言葉を次々に打ち明けてくれる。
その言葉の数々を心に刻み込みながら、
ゆっくりと育ててきた彼女への想いを形として伝えるべく、
俺は腰を振る勢いを更に増していった。
フィリーネ
「ふぁっ、あぁああ……っ!!
好き……好きだぞ、貴公のことが……っ」
フィリーネ
「ひぁああッ、んッ、んやぁああ……ッ!?」
フィリーネの好意が、言葉の体温、
そして肉棒を締め付ける蜜肉から伝わってくる。
心に宿った温かな感情に任せるがままに、
俺は自身の感情を乗せた、深い抽挿で応え――
フィリーネ
「きゃぅうッ!? ひぁ――ッ!! ――ッ!?」
膣口が一際強く収縮し、
精液を搾り取らんと吸い付いてくる。
俺はその求めに逆らわず、思いの丈を乗せた精液を、
フィリーネの最奥へと余さず解き放った。
フィリーネ
「……うっ……うぅぅ……はぁ……んっ」
フィリーネ
「…………ぐぬぬ」
フィリーネ
「この、大馬鹿者」
どうして罵られるのか。
彼女の言葉に肩をすくめてみせると、
フィリーネはらしくもなく、頬をぷくっと膨らませ、
フィリーネ
「罵りたい気分だったのだ。気にするな」
フィリーネ
「……はぁ。どうしてこんな男を好いてしまったのだか」
フィリーネは真っ赤に染まった頬を隠すかのように、
ずりずりとシーツの上を這いずって、
枕にぎゅう、と抱きついてしまった。
フィリーネ
「まぁ、なんだ、その、な。
色々、忘れたほうがいいだろう、今夜のことは」
妻になりたいだとか、俺のことを好きだとか、
フィリーネが淫乱な娘だということを、だろうか?
フィリーネ
「こ、こここ、この大馬鹿ものぉ!!
最後のは特に忘れろ! いいなぁ!?」
しかし、その何れをも、俺は忘れる気など無かった。
それ故に、フィリーネに抱いてきた感情を、
素直に言葉にして聞かせることにする。
フィリーネ
「…………」
フィリーネ
「…………王国へ来い、か」
フィリーネ
「ははっ、その言葉も忘れておいてやろう。
今宵は酒ではなく、私に酔ったということでな」
避けられてしまったか、
そう落胆しつつ彼女の横に転がる。
するとフィリーネは、どこか恥ずかしそうに、
こんな言葉を続けたのだった。
フィリーネ
「もちろん、世界が平和になった後には、
思い出すかもしれないが……」
フィリーネ
「その時は、貴公も思い出してくれ。
私が貴公のことを、好いているのだと、な」