ドリー寝室2 シーンテキスト

風すらも静まり返った、夜更けの執務室……。

ソファに腰掛け、カップを傾けながら、
俺はひとり、物思いにふけっていた……。

ドリー
「…………おい、おーい。王子ぃー?」

微かに遠くに聞こえるのは、虫の声だろうか……。

涼やかな音色と、紅茶の香りに身を任せ、
少し眠ろうかとまぶたを閉じ――、

ドリー
「おーうーじー!! こらー!! 寝たふりするなー!!」

ドリーによる、抗議の怒声。
そちらに視線を向けないようにしながら、
何の用件かと問うてみることにする。

ドリー
「せ、せっかく恥ずかしいマネしてやってんのに……。
ちょっとくらい嬉しそうにしろよ馬鹿ぁー!!」

いつものように酒場へ繰り出し、たらふく呑んだ後、
俺達は執務室でしばしの談笑としゃれ込んでいた。

そんな中、何を考えたのか、ドリーが言い出したのは――

ドリー
「王子は男だから……こういうの好き、なんだろ……?」

ドリー
「酒場のジジィに聞いたんだ。
怪しい酒場にゃ男共が夜な夜な集まって……」

ドリー
「踊り子が服を……その……え、えっちな感じに、
脱いでいくのを見ながら、鼻息あらくするもんだ……って」

ドリー
「…………もしかして、嫌だったか?
アタシの裸なんて……見たくなかった……?」

――そんなことは無かった。

現に、半裸のドリーが同じ部屋にいるという事実だけで、
股間の愚息は硬くいきりたっているのだ。

ドリー
「こ、興奮してたなら、
もっとちゃんと見てくれればいいじゃんか……」

ドリー
「念入りにお風呂入って……ちょっとイイ香水使ったりして……」

ドリー
「お前が喜んでくれるって期待して……」

ドリー
「全部……全部空回りだ……。
アタシ、馬鹿みたいじゃねぇか……」

ドリー
「ダチは性的な目じゃ見れないとか、
……まだ、思ってんのかよ……?」

ドリーは、気の置けない悪友であり、
飲み友達であり、幾度もの戦いを経た戦友であり、
どんな事でも打ち明けられる、かけがえのない親友だった。

それ故に、親友の身体を性の対象にすることに、
どうしても抵抗があったのは、確かな事実なのである。

ドリー
「…………お前は特別だって、前に言ったろ?」

それは、特別な親友という意味では――

ドリー
「…………こっ……」

――こっ?

ドリー
「この……鈍感王子ぃ!!
お前の事が好きだからに決まってんだろ!! ぶぁーか!!」

ドリー
「好きでも無いやつと毎晩飲みに行くか!?
裸見せたりするか!? ち○こ触るわけねーだろ!?」

ドリー
「…………好きなんだよ……お前のこと」

震える声と、羞恥に赤く染まった表情、
そして真剣な、嘘など欠片も無いと主張する瞳の色が、
彼女の告白が真実であると証明しているかのようだった。

ドリー
「……ったりまえだろ」

ドリー
「……付き合ってくれたぁ言わねぇよ。
ただ……少しでも、アタシを好きだって想ってくれるなら……」

ドリー
「……今夜だけ、恋人のフリをしてくれよ」

ドリーの、勝ち気な笑顔には、
普段二人で悪巧みをしている時の様な、
どこか楽しげな色がにじんでいる。

この交わりは、何ら特別なものではないのだと、
男女の営みを経たとしても、二人の関係は壊れはしないのだと、
ドリーの表情は、言外にそう語っていた。

ドリー
「好きなようにしていいからさ。
お前の好きなように、されたいんだ……」

互いの鼓動の音すら聞こえそうな静寂の中、
ドリーの期待に満ちた、少しだけ掠れた呼吸が、
否応なくこちらの劣情を煽ってきた。

投げ捨てるように衣服を脱ぎ、
同じく裸体を半ばまで露わにしたドリーの許へ歩み寄る。

ドリー
「遠慮とか、無しだぜ。
アタシとお前の間に、そういうのは無用だろ?」

彼女の言葉に、苦笑まじりの肯定を返し、
とろとろに潤った秘所に、
我慢の限界を迎えて久しい愚息の先端をあてがう。

炉の如く熱い蜜壺は、
肉棒の侵攻を待ち望むかのように、ひくひくと震えていた。

ドリー
「んっ……王子の……やばいな……うん、やばい……」

どう『ヤバイ』のだろうか……。

ドリー
「そりゃほら……、
先っぽが当たっただけでドキドキして……って――ッ!?」

ドリーが思考を巡らせ、油断した瞬間を狙って、
肉棒を膣道の奥へ、ぐいっと押し込んでやる。

床を濡らす程に、蜜液を滴らせているドリーの秘所は、
一切の抵抗なく肉棒を受け入れてくれた。

ドリー
「んぅぅ……ッ……ば、ばかっ……馬鹿王子っ」

遠慮はいらないと言ったのはドリーの方だったと思うのだが。

ドリー
「……そ、そうだけど……さぁ……?」

ドリー
「ひぁ……ぅぅ……でも……
痛みは……あんまり無いかな……」

ドリー
「初めては……んぐっ……死ぬほど痛いとか聞くけど……、
これくらいなら……楽勝ってやつさ……」

震える声と、力なく倒れ込みそうなドリーの身体は、
決して彼女の状態が『楽勝』では無いことを示していた。

ドリー
「……んっ……あぁん? 休憩だって……?」

ドリー
「せっかく王子と……お前と繋がったってぇ言うのに……、
今更……ひぁっ……きゅ、休憩とか……ありえないだろ」

ドリー
「……あっ、そうだ……王子、アタシのこと、支えてくれよ。
そうしたら、王子が好きなように動いても……、
アタシの腰が抜けちゃっても……大丈夫だろ……?」

そう言って、ドリーは両手を背中側――俺の方へ差し出してくる。

手首をつかむようにして身体を支えてやると、
ドリーは、きしし、と普段のように笑って、

ドリー
「これ……無理やりされてるみたいで……
んっ……すごい、興奮するな……へへっ」

ドリー
「さ……アタシはこれで逃げられないんだから、
目一杯、好きなだけ愛してくれよ、王子?」

飲み比べに誘うような軽い口調に、
こちらも軽く肯定の意を返し、ゆるやかに抽挿を開始する。

ドリー
「んっ……ひぁ……すご……ひぁあっ」

ドリー
「うぅぅぅ……っ……やらしい音してる……」

秘所からは絶え間なく蜜が溢れ、
肉棒でかき混ぜる度に卑猥な水音を立てた。

しかし、洪水の如き潤滑油の中にあっても、
ドリーの膣口は痛いほどに肉棒を締め付けて、
痺れるような快感をこちらに刻んでくる。

ドリー
「……き、気持ちいい……か?
ちゃんと王子も……んぁあっ
気持ち良く……ひぁっ……な、なってるか……?」

肯定の意を告げる己の声は、
自分でも気付かない内に、余裕の無い響きとなっていた。

半ば無意識に、腰を振る速度は上がっていき、
ドリーの肉体に、自身が溺れつつあることを微かに自覚する。

ドリー
「へへっ……王子……夢中みてぇだな……?」

ドリー
「ひやぁっ……アタシの身体……もっと……んぅぅっ、
もっと使ってくれていい……からな……っ」

ドリーの言葉と、愛おしいぬくもりによって、
理性のかせがひとつ、またひとつと外れていく。

普段は誰にも見せられない、自身の本能に近い部分が、
ドリーの前では呆気なく解放させられてしまうのだ。

ドリー
「んきゃぁああっ……!?
お、奥……一番奥……やば……ッ!?」

びくんとドリーの身体がのけぞるように跳ね、
彼女の両足から力が抜ける。

床に倒れ込まぬようにと、
掴んだままの手首をぐいっと引き上げると――

ドリー
「んにゃあぁあああぁッ!?」

ドリー
「ら、らめ……ッ……深……ひやぁああぁッ!?」

両手を強く引いてやると、
ドリーの身体は互いの性器と、
両腕だけを支えに宙に浮いたような姿勢となった。

ドリーは両足をばたつかせるが、
それは何の抵抗にもなっておらず、
振動として、心地よい刺激を肉棒にもたらすのみだった。

ドリー
「や、やらぁっ……アタシ……浮いて……っ」

ドリー
「こりぇ……やば……ひぁっ……
王子……の……っ……一番……ごりごりってぇ……ッ!!
ひやっ……や……やらぁっ……ま、またイっちゃ――ッ!!」

宙に浮いたままのドリーが身を強張らせ、
幾度目かの絶頂を告げてくる。

ドリーが存分に絶頂を味わってくれている、
その事実は喜ばしいものではあったが、
こちらの限界も、ドリーに同調するように近付きつつあった。

ドリー
「ひぁっ……んぁああっ……王子ぃ……
王子も……んぅっ……イきそう、なのか……?
アタシで……気持ちよくなってくれてる……のか……?」

返答を言葉にすれば、その一瞬の油断で果ててしまいそうな程に、
身体の中心で渦巻く快楽は、決壊の時を目前としていた。

ドリーは俺の表情を読み取ったかのように、
にやりと、不敵に微笑んで――、

ドリー
「じゃあ……ひぁっ……一緒にイこうぜ、王子ぃ?」

――これは、何か良からぬ事を考えている時の顔だ。

そう直感した時には、既に時は遅く、

ドリー
「よーいー……しょっ――ッ!!」

宙に浮いたままのドリーは、
両足を振って、こちらの腰の動きに合わせて、
強烈な衝撃を肉棒へと与えてきた。

ドリー
「ひぁ――!! ――――ッ!!」

まぶたの裏で、真っ白な火花が幾度も弾け、
全身に痺れるような快感が駆け巡る。

ドリーの嬌声も、もはや言葉になっていない。

互いの間を幾度も駆け巡る快楽の波に、
二人共が抵抗することすら出来ず、
ただただ、止まる気配の無い絶頂を甘受する。

ドリー
「ぁ……ぁ……うぅ……ひぁっ……」

ドリー
「…………お、王子ぃ……ちゃんとイけたか……?」

ぱたぱたと脚を振りながら、
とろけきった口調で問うてくるドリーに、
こちらも脱力しきった声色で、辛うじて肯定の意を伝える。

ドリー
「へへ……良かったぜ……。
アタシでも、王子を気持ち良くしてやれるんだな……」

そうして、どれくらいの時間、
繋がったままの姿勢でいただろうか。

ドリーのぬくもりを手放すのが、あまりに名残惜しく、
全く収まる様子のない肉棒を突き入れたままの姿勢で、
余韻にひたっていると――、

ドリー
「…………なぁ王子。こいつぁ提案なんだけどさ」

如何なる提案だろうか……。

そうして、ドリーはちらりと視線をこちらへ向けて、
悪戯めいた笑顔で、こう言ってきたのだった。

ドリー
「へへっ、このままさ……?
あと何回戦出来るか、試してみようぜ」