スーシェン寝室2 シーンテキスト

スーシェン
「ここに……なるほど、確かに穴がありますね」

――男女の交わりをしてみたい、
そう提案してきたのは、スーシェンの方だった。

俺は彼女にされるがままに、寝台に寝転がり、
スーシェンは硬く張り詰めた肉棒の上で、
膣口の位置を手探りで確かめていた。

スーシェン
「――歓喜。
スーシェンにも子作りの為の器官が存在しました」

……嬉しいのか。

そも、彼女がどうして夜伽を提案してきたのか、
その理由は分からないままであった。

何故彼女は、俺に奉仕しようとしてくれるのだろうか。

スーシェン
「――抗議。
性的行為は男女が愛情表現として実行するものです」

スーシェン
「我が主はその意味をご存知ないのですか?」

それは、いったいどういう意味なのだろうか。

性行為が持つ意味は理解しているが、
スーシェンが、こちらにそれを求めるというのは――

スーシェン
「――不満。
スーシェンは元死体とは言え、動く死体です。
意思あるキョンシーとして、貴方の鈍感さに抗議します」

スーシェン
「――私は貴方に好意を抱いています」

スーシェン
「現状を理解していただけましたか?」

……そうだったのか。

スーシェン
「――えっ? えぇと、えっ?」

スーシェン
「――理解不能。
王子は今……確かに……えぇと……きゃぁ!?」

スーシェンの告白に対し、
こちらの返した言葉に驚いたのだろうか。

冷え切った、しかし柔らかな膣道と、
張り詰めた愚息の隙間からは、一筋の赤色がにじんでいる。

体勢を崩したスーシェンの身体は、
すとん、と肉棒の上に、綺麗に着地していたのだった。

スーシェン
「あっ……うぅぅ……ふ、不覚です」

スーシェン
「けれど……ひぁっ……んぅぅ……、
貴方の言葉を……嬉しいと、スーシェンは感じています」

スーシェン
「熱烈に……んっ……
好意を……ひぁ……示してきた甲斐が……ありました……」

毎夜、夜伽や話し相手として俺を訪ねて来てくれたのは、
スーシェンなりの好意の表し方だったのか。

スーシェン
「んっ……当然……です。
スーシェンとて……一般常識くらい、知っています」

スーシェン
「殿方の部屋を訪ねる意味……好意の表し方……、
そして……んぁあっ……こうして……男女が繋がる意味も」

時折常識の欠如するスーシェンだったが、
この好意は、紛れもなく本物だと、
彼女の真剣な表情と、揺るぎない言葉が伝えてくる。

スーシェン
「けれど……んっ……、
スーシェンの、第一次作戦は失敗してしまいました……」

――第一次作戦?

スーシェン
「――肯定。
もっと……ひぁ……貴方の陰茎を、
焦らしながら挿入を……んっ……する、つもりだったのです」

スーシェン
「しかし、まだ……第二次作戦があります」

スーシェンなりに、初体験の作戦があったのだろう。

苦笑を返しつつ、
第二次作戦の内容とは何だろうと考えていると、

スーシェン
「――仙術を使用します」

……何?

すぅ、とスーシェンの目が細められ、
ぶつぶつと、何か呪文めいた言葉が紡がれる。

いったい何をしようというのだろうか。

スーシェン
「我が主に、無限にも等しい快楽を得ていただくため、
スーシェンが快楽を感じなくなるよう、
スーシェンの感覚器官に仙術を施しました」

それは、つまり……?

スーシェン
「これから貴方の精巣が、空になるまで性交します」

それは奉仕ではなく、もはや拷問と――

スーシェン
「――ご安心ください。
きっと気持ちいいはずです」

やめ――っ

スーシェン
「――性交開始。
スーシェンの膣内はいかがですか?」

暴力的なまでの、強烈な締め付けと、
夜風のように冷たいスーシェンの体温が、
未知の快楽を際限なく愚息へ刻み込んでくる。

スーシェンの表情は全く動かず、
こちらが快楽に身をよじれば、そこを弱点と把握して、
容赦なく攻め立ててくるのだ。

スーシェン
「貴方が心地よい部位は、既に把握済みです。
スーシェンは優秀なキョンシーですので」

優秀過ぎて、ほんの数度の抽挿だけで、
既に渦巻く劣情は、戦闘態勢に入りつつあった。

スーシェン
「我が主は、深く長い抽挿をお好みだと、
先日の性的奉仕にて実証済みです。
――こうですよね? ここをこうして――こう」

全て正解ではある。

ひくひくと収縮するスーシェンの蜜壺に、
あと少しの刺激だけで、容易く精液の堰は破壊されそうだった。

しかし、このままこちらだけ果てさせられるわけには――

スーシェン
「――疑問。
我が主、どうして腰を振っているのですか?」

スーシェン
「今夜は、スーシェンが貴方にご奉仕する日です。
愛おしい貴方に、気持ちよくなっていただきたいのです。
ですから、貴方が動く必要は――」

スーシェン
「……えっ? 二人共気持ちよくないならば、
それは正しい性交ではない……ですか?」

スーシェンの素朴な疑問に、
首を勢いよく縦に振って応じる。

こちらだけが果ててしまえば、
それは自慰と何も変わらないのではないだろうか。

スーシェン
「――納得。
しかし……その……えぇと……」

珍しく歯切れの悪いスーシェンの様子に、
射精を何とか堪えながら、どうしたのかと問うてみる。

スーシェン
「――問題があります」

スーシェン
「感覚を遮断している仙術は、あくまで遮断しているのみ。
今解除してしまうと、蓄積された快感が放出されてしまいます」

……それの、どこに問題があるのだろうか?

スーシェン
「このままでは、確実に……、
スーシェンが気持ちよすぎて乱れる姿を、
貴方に見られてしまうということです」

スーシェン
「スーシェン、これでも女の子ですので。
いわゆる羞恥心というものがございます」

仮面のように動かない、スーシェンの表情。

しかしどうしてか、
そこには羞恥の色が浮かんでいるように思える。

その様を愛おしく思いながら、
スーシェンへ向けて、当たり前の言葉を投げかけた。

スーシェン
「…………半信半疑ではありますが、なるほど」

スーシェン
「貴方は、スーシェンが乱れる姿を見たいと、
そう思っているのですね……?」

スーシェンは、困ったなとでも言いたげな口調で、
しかし、観念した様子で、

スーシェン
「もしスーシェンが機能停止してしまったら、
ちゃんと責任をとってくださいね……?」

スーシェン
「正直に言って、現状のスーシェンは……、
何度も性的絶頂を迎えていても、おかしくない状況ですから」

心得た、と言う代わりに深く首肯してみせると、
スーシェンは先程と同じく、何か呪文めいた言葉を紡ぎ、

スーシェン
「あ……ぁああぁぁっ……
だ、だめです……やっぱりこれは……ッ!!」

ひくりと、スーシェンの身体が震える。

倒れてしまわぬようにと、
しっかり彼女の腰を抑えてやると、

スーシェン
「やぁっ、あぁああぁあっ!?
だめ、だめです……こりぇ……絶えきれな……ッ!?」

不意に、強烈すぎる収縮が、肉棒に襲いかかる。

もはや暴風に例えても釣り合わない、
幾重にも重なりすぎたスーシェンの絶頂が、
繋がりあった性器を通じて、こちらにも降り注ぐ。

スーシェン
「ぁ――ッ!! ひぁあああ――ッ!!」

スーシェン
「とま、止まりゃない……止まりゃないんですぅぅううッ!!
イっひぇるのにぃッ……気持ちいいのが、びくびくってぇッ!!」

スーシェンらしくもない乱れ方と嬌声に、
辛うじて堪えていた射精への欲求が、
再び急速に膨れ上がっていく。

冷たいスーシェンの膣道は、互いの摩擦と、
彼女自身の収縮活動によって、僅かに熱を帯び、
精液を迎え入れる時を、今か今かと待ち構えていた。

スーシェン
「ひにゃあぁあああぁんっ!?
やらっ……やらぁ……ッ!!」

スーシェン
「またイっちゃいます……や、やだっ、
ずっとイってるのにぃ……ッ……まだ、止まらな……ッ!?」

スーシェンに更なる快楽を与えるべく、そして彼女の子宮へ、
二人の感情が通じ合った証たる精液を注ぎ込むべく、
真下から垂直に、幾度も強く、腰を叩きつけるように振る。

スーシェン
「ひにゃぁんッ!? ひぁっ、あぁあああっ!!」

スーシェン
「好きです……大好きです……ッ!!
我が主……貴方を永遠に……ずっと、ずっと!
ひぁっ、ひやあああぁぁあぁあ――ッ!!」

スーシェンの感情の発露に導かれるかのように、
轡を外された精液は、彼女の子宮をめがけて、
一切のためらいもなく駆け上がっていく。

スーシェン
「ひやぁ――ッ!?」

壊れた噴水のように、こちらの射精も全く止まる気配がなく、
尿道に快楽を刻みつけながら、スーシェンの中へと流れ込み続ける。

倒れ込んでくるスーシェンの身体を抱きとめ、
俺達は、互いの興奮が鳴りを潜めるまで、
じっとそれぞれの体温を、身体の形を確かめあっていた。

スーシェン
「――ふかく……不覚、です。
やはり……その……気持ちよすぎて……」

スーシェン
「――こ、困惑。
イっている姿も可愛かったなどと、
変態極まりない発言だと判断いたします……」

これまでより、少しだけ感情的になっただろうか。

スーシェンの抗議の声を、耳に心地よく受け止めながら、
俺の体温によって、少しだけ温かくなった身体を抱きしめる。

スーシェン
「……誤魔化されました」

不満そうな言葉で、しかしどこか、
幸せそうな声色で、スーシェンはこう続けたのだった。

スーシェン
「――提案」

スーシェン
「このまま、太陽が昇るまで、
スーシェンを抱きしめ続けるというのは、いかがでしょうか?」