シプリア寝室1 シーンテキスト

部屋の片隅でたたずんでいるシプリアに近づいていく。

シプリア
「く……来るなっ!」

ここがどういう場所なのか知っているはずなのに、
来るな……とは。

一歩進めば、シプリアは二歩下がった。

シプリア
「……あっ! こ、これ以上、来るな!
きたら……ナイフで刺す!」

困るな、と返事をしながらも、
距離を埋めていく。

そして、シプリアの服に手をかけた。

シプリア
「近づいたらダメだって言っただろ!
それに、何する気だ! 服を引っ張るな!」

嫌がるシプリアをなだめながら、
上着を脱がそうとバンザイをするよう伝える。

シプリア
「あ、あのな……本当に……脱がないと、
ダメなのか……?」

方法としてはあるが、
恥ずかしがるシプリアの姿を見たら
全て脱がしてしまいたい。

無理だ、と返事をし続きを行う。

シプリア
「脱ぐ……必要なんてないはずなのに……。
どうして……脱がないといけないんだ……」

ぶつぶつ、文句を口にしながらも、
上は脱ぎ終える。

露わになった肌に軽く触れてみせると、
シプリアの体は大きく震えた。

シプリア
「な、なんで触るんだっ!?
今は……その脱いでいる最中なんだから、
必要ないだろう……!」

たまたまだ、と伝えると、
顔を真っ赤にし体を自分で抱きしめるようにして、
胸を隠した。

シプリア
「い、今のはわざとだ!
絶対に……絶対に、わざとだ!」

シプリア
「お願いだから、
これ以上恥ずかしい格好をさせないでくれ……」

微かに震える体を宥めながら、
脱がす手を休める気はない。

シプリア
「し、下も……脱ぐ必要が……!?
ダメだ! 絶対に脱がないからなっ」

シプリア
「ああ! だが、おさえるためには胸元を
隠せなくなってしまう……。
ど、どうしたら……ダメだって言ってるだろ!」

無駄な抗議の声をあげるシプリアを余所に、
白くきめ細やかな全身の肌が露わになった。

暗殺者という職業にいながらも、
傷跡は一つもない。

シプリア
「さ、触るなっ! 私は……私は……」

潤んだ瞳をぎゅっ、と閉じたせいか、
真珠のような涙の雫が飛び散った。

シプリア
「ご……ごめん!
これ以上、私には無理だっ」

シプリアは両腕でオレの体を押しのけ、前にと飛び出る。

そして脱いだ服だけを残し、
シプリアは部屋から逃げていった。