シィル寝室2 シーンテキスト
シィル
「ひ……ひーん!
王子様ぁ、助けてくださいーーー!!」
少女の悲痛な叫びが、
暗い森の木々の合間に虚しく吸い込まれていく。
無数の醜悪な触手が次々とシィルに襲いかかる様を、
俺は地に倒れ伏したまま呆然と見上げていた。
シィル
「い、嫌……やめ、て……ああっ!」
シィル
「は、放してくださ……ひ、ひぃんっ!?
や、そんなとこ……入ってこないでぇ……!」
恐怖に染まった少女の訴えをあざ笑うかのように、
赤黒くぬめった肉紐は無遠慮に服の隙間に侵入していく。
シィル
「あううっ……ぬるぬるして、気持ち悪い……」
嫌悪感もあらわに震えるシィルの柔肌を、
軟体動物じみた触手の群れがウジュウジュと這い回る。
獲物を味わう様を見せつけるようにうごめく異形に、
見上げることしかできない俺は心の中で歯ぎしりした。
シィルに頼まれて付き添った買い物の帰り、
背後からの不意打ちを受けて麻痺させられた俺には、
触手の魔物に襲われている彼女を助ける術はない。
シィル
「ひっ……だ、だめ……
服、脱がさないで……ひんっ……!」
シィル
「い、いや……恥ずかしいっ……
王子様ぁ……み、見ないでください……」
涙目での嘆願をあざ笑うかのように、
絡みついた肉紐は器用に動いて
恥部を覆う布を引き剥がしていく。
白い乳房が露わになると、
嬉々として飛びついた触手が強かに巻き付き、
淡い色の乳頭を舌のような先端で撫ではじめた。
シィル
「あうっ……
先っぽ、クニクニしたら…………ひぃぃんっ!?」
驚愕に染まったシィルの視線の先――。
柔らかな股間の肉に粘液を塗り込んでいた触手が
満を持したように鎌首をもたげ、割れ目に狙いをつけた。
シィル
「だ、駄目ですっ……んんっ……
そこは、そこだけは……い、いやあああっ……!」
駄々っ子のように手足をバタつかせ、
必死の抵抗を試みたのも虚しく。
――にゅるッ! にゅるにゅるにゅぐぐぐぐっ!!
シィル
「あ……あああああーーーーッ!!」
巨大ミミズのように不気味な肉の管が、
泥に潜るかの如くシィルの花弁を犯し貫いた。
シィル
「んっ……んううっ……
や……は、入って……くるっ……」
シィル
「太くて、ぬるぬるして……
あうっ……お、おなかのなか……気持ち悪い……っ」
体内を異形の肉厚に犯されることの生理的嫌悪感と、
それを俺に見られていることの耐えがたい羞恥心。
そんな心情がありありと浮かんだ涙は、
しかし卑劣な触手を狂喜させたに過ぎなかった。
シィル
「ん、んんんんんっ……!
そ、そんな……奥まで来ちゃ……ああっ!」
侵入を続ける触手が行き詰まったように動きを止めると、
シィルの尻が驚いたように跳ね上がる。
シィル
「い、イヤ……イヤあああっ……!
やめ、て……ああっ……それ以上は、入らな……ひぃぃんっ!」
鋭い悲鳴がふいにシィルの口を衝くと、
同時に彼女の腰が異常を感知したように大きく跳ねた。
触手の頭から生えた細い舌状の器官が
子宮口から侵入して内膜を撫でる……。
そんなおぞましい光景が唐突に脳裏に浮かぶ。
シィル
「んんっ……んっ、う、んんんんっ……」
にっちゅ、ぬっちゅ、と粘ついた音を奏でながら、
赤黒い肉器官がゆっくりとシィルの膣口を出入りする。
垂れ落ちる粘液の青臭さに、
甘い女の香りが混じり始めたことに気付き、俺は愕然とした。
シィル
「あっ……く、ううっ……!
う、うそ……そんな、私……んんっ!」
引きつったような震えが、シィルの尻を跳ねさせる。
シィル
「や……見ないでっ……
お、王子様……ああっ……見ないで、くださいっ……」
涙ながらに懇願するその瞳は、
いまや色惚けたように蕩け、混濁していた。
目をつむらなくては、と頭では思うのだが、
目蓋まで麻痺したかのように目が離せない。
そんな俺に自慢するかのように、
触手はぬちゃぬちゃと音を立てて
シィルの花弁を犯し続ける。
シィル
「あ、駄目、駄目っ……
そんなにされたら……あっ……」
シィル
「あああ……あっ、あっ……あぁああっ!!」
甲高い悲鳴とともに、
無数の触手に抱かれたシィルの身体が跳ねた。
絶望的な無力感に苛まれながら、
俺はうめくようにシィルの名を呼ぶ。
シィル
「お、王子様っ……」
シィル
「ち、違います……いまのは、その……
ああっ……き、気持ちよくなったわけでは……」
シィル
「んっ……こ、このぬるぬるのせいなんです……
これのせいで、身体中がじんじんして、熱く……」
――ぬぢゅッ! ぐぢゅぐぢゅぢゅっ、にゅぢゅうぅぅっ!!
シィル
「ひ……ひィィんッ!?」
言い訳するなと、とがめるように
花弁に出入りする触手の動きが突如苛烈さを増す。
貫いては退き、貫いては退き。
素早い前後運動で膣口を泡立たせながら、
不気味な肉紐は全身を這い、あらゆる性感帯を刺激する。
シィル
「い、嫌……嫌ああぁっ……!
や……そこは……お尻だけは……!」
乳首に吸い付きながら乳房を揉み伸ばし、
陰核をねぶって尻穴にまで食指を伸ばす。
人間では与えることも受け止めることもできない、
想像を絶する肉悦がシィルの相貌を歪ませていく。
シィル
「ひんっ……も、もう嫌ぁ……
気持ち悪い、のに……あ、ううっ……
王子様に……見られてるのに……」
シィル
「わ、私……ぐすん……私……
もう……我慢、できませんっ……!」
溢れた涙が頬を伝ってきらめくと、
シィルは開き直ったように自ら腰を振り始めた。
シィル
「あっ……あっ、あっ……あああああっ!」
シィル
「あ、あうっ……王子、様ぁ……
見ないで……ああっ……見ないでくださいぃっ……!」
脳を蕩かす淫悦に身を委ね、
突き挿れられる都度みっともなく腰を波打たせるシィル。
ぬぢゅっ、ぐぢゅっ、と出入りを繰り返す肉厚触手の
結合部付近が盛り上がり、強かに脈動しはじめた。
射精の前触れのようなその動きに、
冷たいものが背筋をゾクリと駆け抜ける。
シィル
「や……駄目っ……
み、見ないでくださ……あっ、あああっ……!」
シィル
「ご、ごめんなさい……ランス様ぁっ……
私……もう……っ……んっ……あ、あっ、あああ……」
シィル
「ぁ……あああああっーーー!!
ランス様、ランス様っ、ランス様ぁぁーーっ!!」
ひと際高い歓喜の叫びが口を衝くと、
シィルは身体を目一杯反り返らせた。
同時に彼女の中を犯していた触手がドクドクと脈打ち、
数秒後、ドロリとした粘液が結合部の隙間から溢れ出る。
シィル
「はっ、はあっ、はあっ……」
抵抗の無為を悟った虚ろな表情で、
シィルは吐き出される粘液を大人しく受け容れ続ける。
獲物の胎内までをも占有し終えた触手は、
勝ち誇ったかのように少女の膣内を掻き回した。
言い知れぬ怒りが全身の痺れを灼き払うと、
俺は立ち上がりざま剣を抜き、
一閃の下に触手の魔物を両断した。
返す刀で伸びた触手を胴体から切り離し、
支えを失ったシィルの身体をすかさず抱き止める。
シィル
「え……王子、様……?」
ぼんやりとした瞳で見上げるシィルから身体を離すと、
助けが遅れてすまない、と俺は心から頭を下げた。
シィル
「い、いえ……
助けてくださって、ありがとうございます」
シィル
「王子様がいらっしゃらなかったら、
私……きっともっと酷い目に……」
シィル
「……え、早く触手を取ったほうがいい……?」
シィル
「あ、あう……
み、見ないでくださいっ……」
慌てて身体中に絡まった肉紐を剥がし始めるシィル。
シィル
「ひんひん……
こ、怖かったです……くすん……」
すべての触手を剥がし捨て、衣装の乱れを整えると、
シィルはふいに俺を見上げた。
シィル
「あ、あの……見てましたか?」
シィル
「な、なにをって……それは……」
シィル
「わ、私が……
あんな風になってしまったところを……です」
すまない、と俺は
シィルの痴態から目が話せなかったことを正直に告げる。
シィル
「あ、あう……恥ずかしいです……」
かーっと、顔を赤らめる。
居たたまれなくなった俺は、
俺にできることならなんでもする、と伝えた。
シィル
「で、でしたら……その……」
シィル
「……このことは、
他の人たちには内緒にしていただけますか?」
シィル
「王子様と……私だけの秘密ということで……」
うるうると瞳を潤ませ、
問うようにこちらを見上げてくる。
そんなシィルのふわふわした頭にそっと手を置き、
お安い御用だ、と返した。
シィル
「くすん……約束ですよ、王子様?」
涙を拭きつつ念を押すシィルに頷きを返しながら、
俺は彼女との約束を守ることを固く心に誓った。
そして同時に、不謹慎ではあるものの
彼女と二人だけの秘密を共有できたことに
ささやかな喜びを感じたのだった。