サリス寝室2 シーンテキスト
――サリスに、どうにかして一矢報いねばなるまい。
寝室にサリスを呼び出したのは、
連日の一方的な搾精行為――彼女は奉仕と言い張るが――に、
何とか仕返しできないものかと考えたからだった。
サリス
「あ……あの……王子殿下……?」
サリスは白い裸身を恥ずかしそうにシーツで隠して、
寝台の上に寝転がっている。
声が震えているのは、
これから始まる未知の行為への不安故だろうか……。
サリス
「良かった……」
……良かった?
サリス
「えぇ! もしや自分には魅力が無いのではと、
ここ数日は思い悩んでいたもので……」
どうしてそんな思考になったのか、
首を傾げてみせると、
サリスは目を閉じ、思い返すように言葉を続ける。
サリス
「いつも私がご奉仕をしていると、
王子殿下はいつの間にか眠ってしまうではないですか」
サリス
「やはり王国の長ともなれば、
知識だけ詰め込んだ私のような者ではなく、
一流の性技を持つ者でなければ満足させられないのではと……」
サリスの奉仕の直後に記憶がなくなっているのは、
決して眠っているわけではなく、
あまりの快楽に、半ば失神しているだけだった。
サリスはそんな事を心配していたのか……。
サリス
「そんなこと、ではありません!
お慕いしている方を気持ちよくしてあげられない、とか……」
お慕い……している、方?
サリス
「あ、え、えぇと、今のは無しです!
お忘れください! お願いですから!」
必死に前言を打ち消そうとする様に免じて、
とりあえずは、今日のところは聞かなかったことにしよう。
サリス
「うぅ……どうしてそんな、
楽しそうににやにやしているのですか……」
それこそ、サリスの愛らしさ故だった。
サリスは観念したように、ひとつ吐息を漏らして、
サリス
「……そういうわけなので、
怖いとか、不安だとか、そういうのではないのです」
サリス
「……そもそも、そんな事を思っていたのなら、
貴方に呼ばれたとしても、ここへは来ないですよね」
サリス
「その……今ので私の気持ち、通じますか?」
――どういう意味だ?
サリス
「い、意地悪……意地悪ですね、貴方は本当に……っ」
本当に分からなかったのだが、
と首を傾げると、サリスは頬を膨らませながら、
サリス
「貴方に抱いてほしくて、お招きに応じたのです」
サリス
「…………ま、真顔にならないでください!」
サリスのあまりの可愛らしさに、
性欲の代わりに愛おしさが溢れかえってしまっただけだった。
どこか不服そうなまま、
サリスはその身を隠していたシーツに手をかけて、
サリス
「……では、意地悪な王子殿下」
サリス
「私、初めてですから……優しくしてくださいね?」
こちらが深く頷き返すのを見て、
サリスは安堵したように表情を緩め、
するりとシーツを寝台の外へと滑り落とす。
――ごくりと、無意識に息を呑んだ。
サリス
「……どう、でしょうか?」
均整の取れた身体は、
日々の鍛錬によって磨かれたものだろう。
引き締まった筋肉と、
女性らしい柔らかさが同時に成立した、
魅力的に過ぎる肢体に、愚息は正直に反応してしまう。
サリス
「…………男性器というのは、
触っていなくとも、硬くなるのですね」
サリス
「……ふふっ、どうして恥ずかしがるのですか?
もう何度も、貴方の性器を舐めたり、
吸ったり、こすったりした仲ではないですか」
サリス
「もはや見慣れた造形です。
それ故に、こんなに大きく、硬くなっている時は、
貴方が本当に興奮している時だと知っています」
サリス
「……私の身体に、どきどきしてくださったのですよね?」
否定などしようがなかった。
どちらからともなく、互いに苦笑を交わし合う。
そうして俺は、サリスの片脚を抱くようにして、
二人の性器を触れ合わせた。
サリス
「んっ……本当に、
こんな大きなものが入るのでしょうか……」
滑らかで柔らかい秘肉を、
肉棒で左右に割り開きながら、
慎ましく隠れている膣口を探り当てる。
サリスの秘所はしっとりと濡れており、
限界まで張り詰めた肉棒を、優しく包み込んでくれた。
サリス
「ひぁ……うぅぅ……く、くすぐったいです……」
肉棒の先端に愛液を馴染ませていると、
サリスはくすぐったそうに身をよじらせる。
そうは言っても、しっかりと濡らさなければ、
サリスの秘所に負担がかかってしまうのだ。
サリス
「ひぅっ……そ、そんなことを言われ……ても……ひゃんっ!?」
サリス
「へ、変な……気分に……あぁっ……!
入り口……触れられている、だけなのにぃ……っ」
くぷりと、膣道の奥より愛液が溢れた。
サリスの素直な反応を嬉しく思いながら、
愛液にまみれ、てらてらと光を反射する肉棒を、
ゆっくりと秘所の奥へ向けて押し込んでいく。
サリス
「あぁ……や、これ……いやぁっ……!
だめです……これ絶対……おかしく……んやぁあっ!?」
サリス
「ま、まだ、先っぽが入った、だけ……?
そんな……らって、もう……お腹が、びくびくしてぇ……っ」
くすぐったさの延長なのか、
サリス自身も知らない性感帯であるのか、
入り口付近を慣らしているだけで、可愛らしい嬌声が溢れ出す。
サリスの性器が馴染み始めたことを感じながら、
十分に濡れそぼった膣奥へめがけ、
力強く肉棒を挿入していく。
サリス
「あぁああっ……んぎっ……い、いた、痛ぁ……ッ!!」
サリス
「あっ、ああぁっ、痛い……のにぃっ……びくびくって、
気持ちいいのが……お腹の奥で……ひぁっ……んやぁあっ」
ぷつりと、サリスの処女を散らした感触を、
心に刻みつけながら、彼女の呼吸が収まるのを待つ。
サリスの荒い呼吸の音に交じるのは、
甘くとろけた、快感を告げる嬌声だった。
サリス
「だ、だって……こ、これは……んやぁっ……!
貴方が……膣内にいる……だけでぇっ……
ひくひくって……勝手にお腹の中、動いて……あぁああっ」
サリス
「こんなの知らない……知らないです……っ
好きな人と繋がるのが……こんなに気持ちいなんて……」
中に入っただけでこの反応ならば、
動き始めたら、サリスはどの様な姿を見せてくれるのだろうか。
サリス
「ふぇっ……? う、動くって……だめです!
せめてもう少し待っ――ひやあぁあああっ!?」
膣道の形を確かめるような、
ゆっくりとした抽挿を開始する。
それだけで、サリスの秘所は幾度も脈動し、
肉棒に甘露にも似た快感をもたらしてきた。
サリス
「ひぁっ……お、お腹の中……ぁああっ!
撫でられてる……みたいで……んぅぅううあぁっ!?」
サリス
「こ、れぇ……ほんとに、だめ、だめですぅああぁっ!?
いや、いやぁ……恥ずかしい、恥ずかしいです、こんなのぉっ」
恥ずかしいと口では言いながら、
抽挿を促してくるのは、
こちらの腰に絡められた、サリス自身の脚だった。
彼女は更なる抽挿をねだるかのように、
しゅるりと、俺の腰を抱き寄せてくる。
サリス
「し、してない……ですぅっ……!
私……そんなえっちな子じゃ……ひやぁああんっ!?」
サリスの言葉と、サリスの身体。
そのどちらを信じれば良いのだろうか。
その疑問の答えを出すべく、
抽挿の速度を一段飛ばしに上げていく。
サリス
「んやぁああっ!? だ、だめ! だめです!
こんな……ひやぁんっ!? こんなの、
気持ちよすぎて……こ、壊れひゃ……んやあぁっ!!」
腰を振る度に、サリスの柔らかな髪と、
張り詰めた乳房がふるふると震える。
見目の麗しさと、愚息より伝わるとろけるような甘さ、
そして胸の内に宿った、確かな愛おしさが、
無意識に抽挿の速度を上げていく。
サリス
「あっ、あぁっ、や、やだぁ……っ!!
いや、いやですっ……こんなの、私じゃ……、
こんなえっちなの……私じゃないです……っ!!」
彼女自身の言葉を否定するかのように、
きゅう、と膣口が強く収縮する。
快感に溺れる己の身体が信じられない様子で、
サリスは否定の言葉をいくつも並べ続けるが、
サリス
「……ふぇっ? ……これも……私、ですか?」
凜とした普段の姿も、戦場に立つ騎士の姿も、
こうして乱れる姿も、サリスであることに違いはない。
サリスの問いに頷き返すと、
快楽の波に揺られながらも、彼女も首肯を返してきて、
サリス
「うぅ……き、嫌いに……ならないでくださいね……?」
サリス
「ひぁあぁっ……こんな、えっちな子ですけど……っ
貴方のことが……あっ……あぁああっ……!!」
サリス
「すき……だいすきなんですぅぅ……ッ!!」
嫌う筈が無かった。
サリスという存在は、もはや俺の中で、
決して欠かすことは出来ない、大きなものなのだから。
サリス
「ひにゃあぁあ……ッ!?
い、今の言葉……忘れないですからね……っ!?」
もちろんだ、と答える代わりに、
深く深く、肉棒を叩きつけ、サリスの快感を引き出していく。
サリス
「ああぁあっ、ひやっ、んやぁん……ッ!!
そこ……らめ、らめですぅぅぅ……っ!!
やらぁ……っ! イっちゃ……イっちゃいますぅぅっ!!」
存分に果てろと言わんばかりに、
こちらも腰の中心に宿った劣情に任せるままに、
幾度も強く、速く、サリスの中へと己を突き込み続ける。
サリス
「あぁああッ! んやぁああ……ッ!!
もう、あぁっ、もうだめ……だめェ……ッ!!
イっていいですか……? 王子殿下ぁ……っ!」
もはや焦点の合っていない視線が、
乞うようにこちらを見つめてくる。
深く首肯を返し、一際強く、腰を打ち付けて――
サリス
「ひやぁあぁああぁ――ッ!?」
肉棒を襲った、甘く痺れるような収縮に、
こちらも逆らうこと無く精液を放出する。
サリスの子宮に収まりきらぬ程の精は、
間欠泉の如く、二人の結合部から溢れ出した。
サリス
「ひぁあっ!? お、お腹の中……どくどくってぇ……!?」
追い打ちのような射精の衝撃に、
軽い絶頂を迎えたのだろうか、
再びサリスの膣口がひくひくと脈動した。
サリス
「ひぁ……あぁ……うぅ……」
荒くなった呼吸を整えようと、
深呼吸を繰り返すサリスの腹を、ゆっくりと撫でてやる。
涙がにじみ、宝石の如き輝きを帯びたサリスの瞳は、
俺がここにいることを確かめるかのように、
じっと、こちらを見つめていた。
サリス
「……だ、だって、もしかしたら、
これは夢だったんじゃないか、とか……思ってしまって」
夢であるものか、と肩をすくめてみせるが、
サリスは何事かを考え込むかのように、むぅ、とうなって、
サリス
「……では、夢ではないという証拠を、いただけないでしょうか」
――夢ではないという、証拠?
サリス
「はい……その……笑わないでくださいね?」
サリス
「貴方から、いただきたいのです。
……恋人同士がするような、甘い口付けを」
サリスの表情は不安げなもので、
だめでしょうか、とでも問うているかのようである。
そうして俺達は、互いの唇を重ね、
月が太陽に変わるまで、抱擁を交わしあったのだった……。