サリス寝室1 シーンテキスト
サリス
「んちゅ……れろ……ちゃぷ……」
――助けてくれた礼をしたい。
そう言って、彼女が執務室を訪ねてきたのは、
随分と夜も更けた頃だった。
こちらは椅子にかけたままで、
ひざまずいたサリスは、顕になった愚息に舌を這わせている。
サリス
「れろ……ちゅぷ……ぷぁっ……」
サリス
「……その、ちゃんと、気持ちよく出来ていますか?」
サリス
「知識としては知っていても、
実際に殿方に奉仕するのは……初めてなので……」
気持ち良いというよりは、
くすぐったいという感想が勝っていた。
しかし、この感想をそのまま伝えて良いものか――
サリス
「……ど、どうしてにやにやしてるんですか!」
サリス
「……私、もしかして下手ですか……?
ただくすぐったいだけ、だったりします……?」
サリス
「……ず、図星の顔です。
よくわかったな、みたいな顔してます……」
さすがは腕利きの騎士だけあって、
表情を読むのは得意なようだった。
サリス
「……変なところで感心しないでください、まったく」
サリス
「……あっ、では王子殿下、ひとつ提案があります」
……提案?
サリス
「はい、提案です」
いったいどんな提案だろうか、
と内心でいくつもの選択肢を考えてみる。
しかし、サリスの言葉は、そのどれとも異なるもので、
サリス
「王子殿下が一人でなさる時の方法を、私に教えてください」
――何だって?
サリス
「貴方が、自慰行為にふける時の方法を、
私に実演してみせてくださいと言ったのです」
…………。
サリス
「私の眼の前で、自慰行為を実演してください」
………………?
サリス
「そうしたら、その動きを真似して手を動かします」
ほう?
サリス
「そこに口付けや、舌の動きを加えたら、
きっと貴方が一人でなさる時よりも、
もっともっと、気持ちよくしてあげられるのではと……」
どうしてか、理にかなっているような気がした。
サリスに丸め込まれているような気もしつつ、
真剣なその瞳の色に絆されるように、
己の股間に手を伸ばすことにする。
サリス
「……あっ、もしよろしければ、私の手をお使いください」
嬉しい提案であり、
実に恥ずかしい提案でもあった。
しかし、麗しい乙女の目前で自慰にふけるよりは、
その乙女の手を借りて自慰をする方が、
まだ幾分か、多少なりとも羞恥が和らぐような気がする。
サリス
「はい、どうぞ、王子殿下。
右手でよろしいですか?」
ぎこちなく首肯を返し、
サリスの右手をとって、己の愚息にあてがう。
自分自身の手指よりも、少しだけ冷たく、
しっとりと柔らかい感触に、
無意識に愚息がぴくりと跳ねた。
サリス
「……あっ……こう握るのですね。
なるほど……申し訳ないです、
先程は強く握り過ぎてしまいました」
サリスの、騎士とは思えぬ程に手入れされた、
繊細な指の感触に胸を高鳴らせながら、
ゆっくりとサリスの手を使った自慰を始める。
動かしているのは自分なのに、
伝わる感触は愛らしいサリスの手の感触。
その感覚の違い故なのか、
あるいはサリスの手を使って自らを慰めるという、
背徳感故なのか、愚息はみるみる内に硬度を増していく。
サリス
「ここを……こうですね……。
引っ掛けるように……ここは滑らせるように……」
サリスは異様な飲み込みの早さで、
こちらの弱点を次々に覚えていく。
最初こそ、主導権はこちらにあったはずなのに、
手指の動きを繰り返す内に、
いつの間にか、愚息はサリスの支配下に置かれつつあった。
サリス
「こう……こうですね。
ふふっ、先端から何か出てきましたよ……?」
サリス
「これが……なるほど、これが我慢汁なのですね」
サリス
「んちゅっ……ぺろっ……。
ふふっ、不思議な味です……」
――何かがおかしい。
サリスの奉仕は、
唯くすぐったいだけだった筈。
それなのに、いつの間にか、
サリスの手を使った自慰行為は、
彼女の熱烈な、舌と手指による奉仕に変貌していた。
サリス
「大丈夫、覚えましたから……ちゅっ……れろ……、
こうですよね、軽く握って……すばやく動かして……」
サリス
「あっ、また我慢汁が。
ぺろっ……ふふっ……ちゅっ、んー……ちゅっ」
先端を吸われただけだというのに、
自身の意志に関係なく、腰がびくびくと跳ねる。
最奥に渦巻く快楽の渦は、
サリスによってその端を掴まれて、
ぐるぐると解きほぐされ、我慢汁として再現なく吸われていく。
サリス
「あっ……またお汁が……ちゅる……ぢゅるるっ!
もう……おもらしみたいになってますよ……?」
サリス
「もしかして……私の体力を気遣って、
早めに果ててやろうとか……思ってくれています?」
――いや、そんなことは、
サリス
「大丈夫ですよ、王子殿下!
そんなに焦らなくても、私の体力は万全です!」
サリス
「ですからもっともっと、
私のことを味わってくださいね……?」
そんなにきらきらとした瞳で、
真っ直ぐに見つめないでほしかった。
今や彼女の口内に、
いつ精液を暴発してもおかしくない状況にあるというのに。
サリス
「んっ……ちゅぷっ……れろろ……ちゃぷ……」
――もはや己以上に、サリスはこの愚息の弱点を把握している。
その事実を前に、
全身を駆け巡る快感を堪えることなど出来る筈がない。
サリス
「あっ……びくびくしてます……ちゅっ……れろっ。
もっともっと、気持ちよくなってくださいね……?」
サリス
「あー……んっ! じゅぷっ、ぢゅるるっ!
れろろ……んちゅ……ぢゅるるるるっ!!」
――もはや、限界をとうに超えていた。
サリス
「ふぇっ……? で、出る?
何が出るというのです――んむゅぅ……ッ!?」
沸騰しそうな程に熱くたぎった白濁液が、
サリスの口内へと濁流の如く流れ込んでいく。
指先まで、痺れるような快感が駆け巡り、
思考までもが真っ白な光に埋め尽くされた。
サリス
「んぅっ……んっ……こく……んくっ……ごくん……」
サリス
「ふぇっ……ま、まだ出て……んぐっ……ごきゅ……」
完全に、負けた。
どうしてか、そんな感想が脳裏を駆け巡る。
サリス
「思ったより……早かったですね」
やはり、完全敗北だった。
サリス
「あ、あの、えぇと……王子殿下?
どうしてそんな、泣きそうなお顔を……?」
サリス
「あっ! も、もしかして、
もっとして欲しいとか、そういうことでしょうか……!?」
初めて夜伽をする娘に、
好き放題に弄ばれ、好き放題に搾り取られた……。
その事実に打ちひしがれる間に、
我が愚息は再び、サリスの手技によって硬度を取り戻している。
サリス
「お任せください、王子殿下。
このサリス、守護騎士の名にかけて、
必ずや貴方を満足させてみせますとも!」
――この雪辱は、必ずや果たさねばなるまい。
そう決意を固めながら、
再び始まった嵐のような奉仕に、
俺は一晩中翻弄され続けるのだった……。