エリアス寝室3 シーンテキスト

エリアス
「王子……お願いですから、大人しくしていてください……」

いさめの言葉だというのに、
その声には甘やかな色がにじんでいる。

――ベッドの上。
俺とエリアスは一糸まとわぬ姿で、再び肌を重ね合わせている。

情愛を込めた言葉も、互いの恥部への愛撫も充分に交わし合い、
今こうして、俺たちは漸く深い部分で繋がり合おうとしていた。

エリアス
「んっ……はぁ、ぁ……んぅ……お願いですから、
そんなに、ビクビクさせないで……ください……」

仰向けになっている俺の上に腰を浮かせているエリアスは、
既に十分な硬さを備えてそそり立つ愚息に片手を添えている。

自分から膣口へと誘おうとする手つきは未だ不慣れで、
だからこそ、先ほどから挿入する事を果たせずにいた。

エリアス
「だ、だって……王子の……大きすぎるから……」

なら無理をしないで、こちらに任せてくれればいいものを……。

エリアス
「それは、だめです……」

エリアス
「今日は、私が……貴方を気持ちよくさせたいのです」

エリアス
「それに……これも、健康管理の一環ですからね……」

真面目な彼女らしい言葉ではあるが、
その実、こうして肌を重ねることへの口実のようにも感じる。

その証拠に、エリアスの端正な顔には穏やかな微笑が浮かんでいた。

エリアス
「んっ……もう、少しで……はぁ、ぁ……ン……」

ようやく亀頭の先端を自らの淫唇に宛がい、
ゆっくりと腰を下ろし始めるエリアス。

そうして、小さな割れ目に、雄の象徴が飲み込まれ始めると、
心地よい温かさが愚息の先端からじんわりと体に流れてきた。

エリアス
「ふぁ……ぁっ……貴方のが……入って……んんっ……」

ゆっくりと開かれていく膣口が男根を淫らに頬張っていく。

まろやかな愛蜜が滴る膣ヒダが敏感な部分を少しずつ刺激し、
半分しか挿入できていないというのに、
ありえないほどの心地よさを与えてきた。

エリアス
「おう、じ……んっ、ふぅ……ぁっ……ごめん、なさい……、
やはり……これ以上は、自分だけ、じゃ……はぁ、ハァ……」

あと一歩で男根を全て収められそうというところで、
エリアスの腰の降下が止まってしまう。

もう少しだぞ、とエリアスの両手に自らの指先を絡めて握り、
彼女が最後まで成し遂げられるようにと助け船を出す。

エリアス
「王子…………あっ、んん……」

ぎゅっと、握る手に力を込めて、
エリアスは片目を閉じながら何とか腰を落とす。

そして――

エリアス
「ふぁあっ…………はぁ、あっ……全部、入りました……」

どうですか、と言うように、
うっすらと涙の浮かぶ瞳で俺を見つめるエリアス。

まるで、父親に褒めて貰うのを待つような、
そんなあどけない様相を見せる彼女に
言いしれぬ愛しさを覚えてしまう。

出会った時のエリアスからは想像も出来ないような献身ぶりに、
知らず、労いの言葉が口を衝いて出た。

エリアス
「だって、大好きな……貴方のため、ですから……」

頬を赤らめながら、彼女がそんな言葉を口にする。

エリアス
「だから、少しはこういうことも……上手くなりたいのです……」

だが未だひとりだけでは難しいようだな、と
少しだけ意地悪い言葉を向ける。

エリアス
「だ、だって……ぁっ、ンぅ……王子のが……、
大きすぎるから……自分でいれるのは、少し怖くて……」

エリアス
「でも……入ってしまえば……んっ、ふぁ……、
こっちの、ものです……はぁ、ぁ……っ、
今から……私が、ちゃんと……気持ちよくしてみせますからね?」

そして、おずおずとエリアスが
引き締まった腰をゆっくりと上下させる。

エリアス
「んんっ……はぁ、ぁあ……ン……」

緩慢な動作だが、男根を包む媚肉は甘えるように絡みつき、
エリアスの優しさが、そのまま伝わってくる様な気がした。

エリアス
「ふぁっ、ぁっ……あっ、ん……、
ど……どう、ですか……王子……?」

エリアス
「ンッ、はぁ、ぁっ……気持ちよく……出来て、いますか……?」

向けられる眼差しは、わずかな不安と
隠しきれない情愛がまざまざと浮かんでいる。

だから、
これ以上ないくらいの心地よさの享受を伝えながら、
繋ぐ手にわずかな力を込めた。

エリアス
「なら……よかった、です……んっ、ぁ……」

言葉と共に、彼女の真白い頬に涙がこぼれ落ちる。

そんな、予期せぬ感情の発露に、
苦痛を与えてしまっていたのではないかと不安になる。

エリアス
「違います……これは……」

エリアス
「ただ、嬉しくて……」

エリアス
「こうして、貴方のために……何かを成せているということが、
どうしようもなく……嬉しいのです……」

――俺たちは、互いに属する国を異にする。

会える時間も、理由も、機会も、用意するだけで一苦労だ。

こうして二人きりで愛を育んでいることだって、
周りに知る者はいない。

だからこそ彼女の涙の意味を解し、俺はエリアスを抱き寄せた。

エリアス
「――きゃっ……!?」

驚きの声を上げながらも、当惑の色はすぐに失せ、
エリアスは俺の胸にその美しい顔を寄せて瞳を閉じた。

エリアス
「王子……」

エリアス
「今の私は……貴方だけのものです……」

エリアス
「だから……貴方の愛も……今だけは、私の為だけに……」

その言葉で、もうだめだった。

それまでの穏やかさは理性と共に掻き消え、
せり上がった欲望と愛しさのままに、俺は自ら腰を振っていた。

エリアス
「ふぁぁっ、あっ……んっ、ぁあっ……おう、じっ……、
ま、待って……今日は、私が……あっ、ぁあんっ……!」

不意に開始された過激な抽挿に耐えるように、
彼女はより強く俺へと抱きついてくる。

エリアス
「あっ、んんっ……そん、な……あっ、ぁあんっ……、
はげし、すぎますぅっ……んんっ、ぁあっ、やぁあンッ……!」

男根を掴んで放そうとしないエリアスの上質な膣ヒダは、
身体を少し動かすだけで強烈に擦れ、
今にも射精してしまいそうだった。

エリアス
「いい、です……からぁっ……我慢など、なさらないで……、
んっ、ぁあっ……王子のお好きな時に……あっ、ぁああんっ!」

エリアス
「いつでも、受け止めて……みせますから……っ、
あっ、はぁ……ンぅッ……だから、もっと……あっ、ふぁんっ、
……気持ちよく……なってください……」

そんな彼女の慈愛の言葉と共に膣壁がせり上がり、
カリ首の敏感な部分が刺激され、強烈な射精感が込み上げる。

それでも、まだ彼女と繋がっていたいと望むように、
俺は荒々しく腰を振り続けた。

エリアス
「ふゃぁっ、あっ……また、大きくなってぇ……っ、
んっ、ぁあんっ……そんな、だめ……王子ぃっ……!」

与えられる快楽が許容範囲を超えたのか、
エリアスは俺の首筋に両腕を回して抱きついた。

エリアス
「あっ、ふぁあっ……王子ぃっ……、
もう、だめ、ですぅっ……気持ちいいところ、全部あたって……、
ふぁあっ、あっ……んっ、あぁああんっ……!!」

快楽に蕩け始めた顔を向けながらも、
理性を失い始めている事への不安を訴えるエリアスの視線を受け、
俺はその可憐な唇にキスをする。

エリアス
「ちゅっ……ちゅぷ……んっ、んふぅっ……、
ふぁっ……あっ、おうひぃ……んっ、ちゅるっ……、
らいしゅき……れす…………ちゅぷ……ちゅっ……」

舌を絡めながら熱くなった吐息を交わし、
二度と戻れなくなってもいいと思うほどに理性を壊し合って、
互いの想いを遠慮無く打ち付け合った。

エリアス
「はぁっ、ぁあっ……んっ、ぁあっ……おうじ……ッ、
わたしっ……もう……やぁッ、ぁあんッ……、
イッて……しまいそう、です……んっ、ぁあっ……!」

エリアス
「ひとりでは……あっ、んんっ……ぜったいに、イヤ……、
ですからね……? 王子も……ふぁあ、ぁっ……っ、
一緒に……んっ、ぁあんっ……いっしょに……ふぁあんっ……!」

分かっている、と伝えるように再び唇を重ねながら、
とうに限界を超えていた欲望を放とうと、
俺は最後の苛烈さを抽挿に加えていった。

エリアス
「ふぁあっ、あっ、んぁあっ……もう、だ、めぇっ……!」

エリアス
「あっ、んふぁぁっ……イッちゃい、ますぅっ……、
おう、じぃっ……わたし……あっ、ぁあっ……ふぁぁああんっ!」

ほっそりとした喉を震わせて
艶やかに放たれるエリアスの美声が室内に響く。

同時に、共に果てようと抱きしめてきた媚肉の強圧に任せ、
溜め込んでいた白精を彼女の一番深い場所へと解き放った。

エリアス
「ふゃぁあぁあっ、あぁぁあっ……でて、ますぅぅっ……、
王子の……熱いのが……いっぱい……あっ、ぁぁ……ッ」

自らに注がれていく精液の温かさに陶然としながら、
エリアスは可憐に身を震わせる。

エリアス
「ふぁあっ、ぁぁ……もっと……もっと、だしてください……、
んっ、んぅ……貴方の、愛を…………もっと……私に……」

求められるままに、何度も何度も精を解き放つ。

そして、全てが吐き出され尽くすと、
欲望の名残が心地よい倦怠となって身を流れ始め、
俺たちは互いに抱きしめ合ったままベッドへと身を横たえた。

エリアス
「王子……」

少しだけ、甘えるような声音。

出会った頃には想像も出来なかった、
その愛らしい呼びかけに、
言葉ではなく触れるだけのキスで応える。

エリアス
「ん………………」

エリアス
「もう…………不意打ちなんて卑怯です……」

言って、彼女も同じように俺へと口づけをし、
少しだけ照れくさそうに微笑む。

エリアス
「ふふっ……何だか私たち、
これ以上ないというほどに……、
恋人みたいなこと、してますね?」

出会ったばかりの頃は、
こんな関係になるなど想像もしていなかった。

エリアス
「それは、こちらの台詞です」

言って、互いに小さく笑い合う。

エリアス
「貴方に出会ってから……自分が、
こんなにも甘えたがりな性分なのだと知りました」

エリアス
「もしかして……こういう女は、お嫌いだったりしますか?」

まさか、と返しながら、
むしろもっと甘えてくれていいと告げる。

正直なことを言えば、
エリアスは自分で言うほど素直に俺に甘えてきたりはしない。

その証拠に、王国と帝国との合同演習や軍事作戦などで
たまたま二人きりになることがあっても、
人目を忍んで手を繋ぐくらいしか、彼女はしてこない。

エリアス
「だ、だって……依存する女は、嫌われやすいって……、
何かの本で読みましたから……」

エリアス
「全力で甘えたりなんてしたら……、
きっと、王子は呆れてしまうはずです」

なら、いつか試してみるといい、と言いながら、
俺は彼女の美しい髪をすくように、頭を撫でた。

エリアス
「でも……重たい女だと思われるのも……イヤですし……」

歯切れ悪くそう呟くエリアスに、
気にしすぎだ、と頬を軽くつまむ。

エリアス
「むぅ……にゃにするんですか、おうひ……?」

お返しとばかりに、エリアスも頬をつまんでくる。

そうしてまた、二人だけでささやかに笑い合う。

エリアス
「まったく……これでは、程度の低い恋人同士ではないですか」

男女の仲睦まじい光景というのは、
往々にして程度が低いものになると思うのだが。

エリアス
「んぅ……」

エリアス
「言われてみれば、一理ありますね」

そう言うと、エリアスは納得を示す様に、くすりと笑った。

エリアス
「…………」

エリアス
「あの、王子……」

エリアス
「さっきは……泣いてしまって、ごめんなさい……」

エリアス
「でも……私……最近、怖くなってしまうのです……」

エリアス
「貴方と……一緒の時間が増えるほどに……」

エリアス
「幸せだと、感じてしまうほどに……」

エリアス
「それを、失ってしまう時のことを考えてしまうから……」

そう言って、秀麗な相貌に悲哀めいた陰が落ちる。

彼女の心が弱いなどとは思わない。

魔物が復活し、死が当たり前となった世界では、
明日の命が保証されている者など誰ひとりとしていやしない。

だからこそ、失う怖さを此の世界では誰もが知っている。

それでも――

エリアス
「……それでも、今は……貴方とこうして……繋がっている」

彼女の指先が、俺の手に触れる。

エリアス
「いつか、離れてしまうことは……分かっています……」

エリアス
「でも……」

エリアス
「貴方を愛おしいと思う気持ちを、棄てたいなんて思わない……」

エリアス
「だって……」

エリアス
「今は、貴方を想い……そして、泣いてしまえる程に……」

エリアス
「私は……幸せだから」

エリアス
「生まれてきて良かったと、心から口に出来るから……」

エリアス
「…………」

エリアス
「だから、王子……」

エリアス
「私はいま、此処に……誓います……」

エリアス
「……この命が尽きるまで、貴方だけを……愛すると……」

そうして、その約束を結ぶ様に、
俺たちは再び唇を重ね合わせるのだった――。