エマ寝室1 シーンテキスト
血を吸われ、ヴァンパイアと成り果てるか、
あるいは別の何かを差し出すか――。
夜更けに寝室を訪れたエマより、
迫られた選択肢はふたつのみ。
そのどちらを選ぶかは、自明であった。
エマ
「ふふ……愛しきあなたを、
私と同じヴァンパイアにしようと企んで参りましたのに……」
エマ
「んっ……本当に、つれないお人。
永遠の夜を共に歩くという小さな夢すら、叶えてくれないなんて」
エマは腰の上にまたがり、
その最奥まで肉棒を飲み込んだまま、とろけた笑みを浮かべる。
エマ
「けれど……これもまた重畳。
愛しきあなたの精であれば、
何れの血にも勝る……得難き甘露でありましょう」
血液ではなく、精液を差し出す。
それが今宵、エマとの間に結ばれた契約だった。
エマ
「契約……? ふふふ、そんな大層なものではありませぬ」
エマ
「ここにいるのは、愛しきあなたを想う一人の女」
エマ
「その証拠にほら……真にあなたを喰らうつもりであれば、
斯様な下着を身につけて、深夜に部屋を訪ねたりしましょうか?」
ぱくりと裂けた下着の隙間からは、桜色の乳首が覗いている。
同じく下着の用をなさぬ、
股間を露わにしたそれは、主の貞操を守る気など一切なく、
淫らに濡れた秘所は、肉棒をしっかりと飲み込んでいた。
エマ
「……ふふ、喜んでいただけたようで」
エマ
「あなたが血を捧げることを選んでいたなら、
ためらいなくいただくつもりでもおりましたが……それはそれ」
エマ
「我が純潔の味わい……とくとご賞味あれ」
――純潔……?
問いを挟むより早く、エマは腰をくねらせて、
柔らかな媚肉を以て、肉棒を扱き始めた。
その直後より、腰の奥から精液の波を引きずりあげるかのような、
暴力的な快感が、不意打ちめいて次々に襲い掛かってくる。
エマ
「ふふ……んぅっ……どうなさったので……?
苦しそうに……ぁあっ……小さな喘ぎまでもらして……」
エマ
「私の膣肉が……ぁあ……
そんなに……美味なのでありましょうか……?」
エマはゆったりと腰をくねらせて、
渦を巻くように肉棒を包み込み、刺激を降らせ続けてくる。
彼女の責めに、抽挿運動の様な緩急は一切ない。
休むことの許されない、
永遠に続く快楽の階段を登り続けるかのような性交だった。
エマ
「ふふ、ふふふ……まだ、始まったばかりでしょうに。
ひぁ……んぅ……っ……ただのこれだけで、
さっくりと果てられてしまっては……私が満足できませぬ……」
エマ
「あぁっ……おなごの身体は、おのことは違うのですから……。
丹念に……ゆっくりと……あぁっ……緩い坂道を上るように……、
一歩、一歩と……ん……ぁあ……高めて、いただかねば……」
そんな余裕など、愚息には欠片も無かった。
断続的に降り注ぐ快楽の雨に堪え、
一瞬でも長く射精を先延ばしにする事だけが、
俺とその愚息に許された数少ない選択肢なのである。
エマ
「あぁっ……一回り大きく……んぁあっ……、
果てそうなのですか……私を孕ませたいのですか……?」
エマ
「あぁっ……腹の内にて震える……肉の竿が、
手に取るように……んぁああっ……分かりますとも……」
一瞬の休憩すら与えられない。
ほんの一秒の深呼吸すら許されない。
ゆったりと腰をくねらせるエマに、
愚息は単身、暴力的な快楽の砲火に晒され続けていた。
何かひとつ、せめて反撃は出来ないだろうかと、
苦し紛れに両手を伸ばすと、
エマ
「――きゃぅっ!?」
彼女らしくもない、可愛らしい喘ぎが聞こえた。
何が起きたのかと、
快楽に耐えるべく閉じていたまぶたを開くと、俺の両手は確かに、
たわわなふたつの果実の先端を、しっかりと捕らえていた。
エマ
「ふふ……おっぱいが、お好きですか……?」
エマ
「あぁ……赤子に乳をやる気持ちとは、
斯様なものなのでしょうか……?」
エマ
「王子の指先が……私の乳首を……んゃぁああっ!?」
細い光が差し込んだような錯覚を覚えた。
一方的に精を搾り取られるだけでは、あまりに情けない。
精一杯の反撃にと、伸ばした指先で、
エマの乳首を執拗にくすぐり倒してやる。
エマ
「ああぁッ……んぅぅぅううっ……。
何と乱暴な……赤子なのでしょう……ぅああぁっ」
エマ
「この指は……母の乳首を……んゃぁああっ……、
食べてしまう……ふぁあっ……つもりなのですね……?」
腰の動きが止まった隙を狙い、
更に双乳のいただきへ、追撃を加えていく。
エマ
「んぅやぁあぁ……ッ」
豊かな乳房は、その大きさにも関わらず、
揉み込む指を強く押し返す弾力を備えている。
彼女の乳首も、指先で弾いてやると、
軽やかに、瑞々しく目を楽しませてくれた。
エマ
「んゃぁああっ……ッ!!
お、うじ……っ、それは……ひやぁああっ!?」
背を仰け反らし、甘い嬌声を響かせるエマ。
男の面目は保てたかと、内心で安堵したのもつかの間、
刹那の後には愚息に、更なる危機が迫っていた。
エマ
「ら……めッ……ちくび……は……ぁッ!!
あ――っ……イ、イく……ぁあっ……あぁああぁッ!?」
空前絶後の衝撃が、愚息を襲った。
先程までのゆったりとした責めが、
降りることを許されぬ階段なのだとしたら、
これは落ちることしか許されぬ、滝壺への落下である。
絶頂を迎えたエマの蜜穴は、
単純な締め付けではなく、強力な吸引力を以て、
愚息の底から精液を吸い上げんとしてきたのだ。
エマ
「あっ……ひやっ……あぁああッ!!
王子、待って、待ってくださ――ッ!!」
ここで負けるわけにはいかないと、
人類種の誇りをかけ、真下より垂直に、
出来る限りの力強さでエマを突き上げる。
エマ
「んやッ!! ひァッ!! や、めてぇッ!?」
精液が放出されるまでのほんの数瞬、
せめて一回、いいや二回、彼女を果てさせるべく肉棒を突き込んだ。
エマ
「イってる、のに……ッ!!
ま、また、イっちゃ……ひぁ――ッ!!」
全身を硬直させ、快感に耐え続けるエマに、
遠慮すること無く精液を注ぎ込む。
堪え続けてきた射精ゆえの、落雷のような衝撃が、
未だ残響のように、全身を走っていた。
エマ
「………………」
じぃ、とこちらを睨むエマと、視線が合う。
エマ
「…………駄目と、言いましたのに」
しかし、エマに反撃しなければ、
一方的に俺だけが果てていたのは事実だった。
駄目とは言われつつも、
エマを果てさせてやれたことは、
結果としては良かったのではないだろうか。
エマ
「……いいえ、いいえ。
王子が何度、達してしまおうと、
その度に濃厚な奉仕を以て再起してもらおうと思っていたのですが」
そんな凶悪な計画をしていたのか。
エマ
「けれど、一緒に果ててしまうとは……それも何度も……。
初めては痛いとは聞くものの……痛みよりむしろ……」
ぶつぶつと、エマは何かをつぶやいている。
時折聞こえる不穏な単語は、
おそらく彼女が何かを企んでいることを示しているのだろう。
エマ
「……決めました」
決意を込めたその声は、
今夜、彼女が寝室を訪れた時の震えを思い出させるものである。
そうしてエマは、
恍惚とした笑みを浮かべながら、こう続けたのだった。
エマ
「今宵、私の果てた分と同じだけ、
これより愛しきあなたを、果てさせてあげましょうとも」