イナリ寝室3 シーンテキスト

イナリ
「そうそう、そのまま王子は座っていてね」

イナリに促されるままに、
俺はクッションを背に、ベッドの上で座っている。

イナリ
「いーい? 今夜の王子は動いちゃだめ、だからねー」

前をはだけさせ、白い裸身を半ば晒したイナリは言う。

イナリが部屋を訪れたその時、
幼い身体を愛そうとした俺をとどめたのは、彼女自身だった。
今夜の俺は、何もしてはいけないらしい。

衣服を脱がされ、ベッドに転がされ、
口付けの雨を全身に受けたあとでの、
動いちゃだめ、と念を押すようなイナリの言葉。

イナリ
「ふふっ、いい子いい子。王子はいい子だね」

俺をまたぐような姿勢のまま、
イナリは俺の頭を撫でてくる。

幼子をあやすような仕草だが、不思議と屈辱は感じなかった。
おそらくは、相手が心を許したイナリだからだろう。

イナリ
「今日はあたしが、王子をきもちよーくしてあげるから、
――いっぱい乱れていいんだよ?」

妖艶とも言える微笑みは、さすがに妖狐の貫禄か。
日頃の俺に組み敷かれ、乱れるイナリの姿とは、
また異なった魅力に溢れている。

いったい何をしてくれるのかと、
期待半分、不安半分に眺めていると、
イナリは俺に背を向けた。

白い装束と、ふさふさのしっぽが、
俺の前でひらひらと揺れる。

イナリ
「んん……いつも王子にしてもらってるから、
難しいなー……んっ……くぅん……っ」

イナリは片手を俺の男根に添え、
どうやら位置を調整しているようだった。

イナリ
「大丈夫、かな……この身体で、ちゃんと王子を……
うー……このあたりかなぁ……んん……」

多少なら手助けをしてもイナリは俺をとがめまい、と思い、
このあたりだな、というタイミングで
イナリの尻尾を撫でてやった。

イナリ
「ひゃぅっ……ぅやぁぁっ!?」

すとん、と。
腰の抜けたイナリが、俺の腰の上に着地する。

愛撫すらしていないというのに、俺の肉棒は
ぬるりと抵抗なく、小さな淫穴に収まった。

イナリ
「ふ、ひぁ……う、ごいちゃだめ、って、いった、のにぃ……」

ぴくぴくと俺を包み込む膣道が震える。

それすらも耐え難い刺激となっているのか、
イナリはじっと動かず、呼吸を整えていた。

イナリ
「おう、じに、され、ると……がまん、できない、から……
うごいちゃ、だめ……ね……?」

あくまで俺を気持ちよくさせようとしてくれるイナリ。
その好意を無駄にするのは良くないな、と俺は頷く。

イナリ
「ん……王子は、いい子。
もう、いたずら……ぁっ……しちゃだめだよ」

叱りつつ褒められるのも、貴重な経験だった。
目の前で揺れる尻尾に触れられないのは惜しいが、
存分にイナリの奉仕を味わうとしよう。

イナリ
「は……ふ……じゃあ……うごくね」

ゆっくり、ゆっくりと、イナリが腰を上下にゆする。

動き方がつかめていないのだろう。
おっかなびっくり、という表現がよく似合う、
初々しい動きだった。

イナリ
「こ、う、かな……ん、んぅんン……っ」

両の脚と、ふたりの繋がった場所だけを支えに
イナリは身体を動かそうとしている。

ぎこちない動作は、くすぐるような快感を俺に与えてくれる。
しかしその姿勢では辛いだろうと、
片手と、太ももに手を添え、支えてやった。

イナリ
「むぅ……うごいちゃ、だめ、だってぇ……ふぁ、あぁん……っ」

イナリの初めての奉仕だ。
慣れるまでは支えてもいいだろう、と問いかける。

イナリ
「……おうじ、いたずらっ子だったり、優しかったり、
いろいろ、ずるいよね……」

ちらりと背中越しに視線を向けて、
すぐにぷいっと正面に向き直るイナリ。

イナリ
「でも、ん……ありがと……」

先程よりも滑らかに、イナリは腰を上下させはじめる。

ふわり、ふわりと、柔らかな髪と、豊かな尻尾が揺れ、
視覚的にも俺を楽しませてくれる。

もどかしい程に緩やかな抽送ではあったが、
少しずつ荒くなっていくイナリの呼吸音とあいまって、
俺の興奮を高めるには十分に扇情的な光景だった。

イナリ
「ん……んぃぁ……ぁ……ふ……」

声と呼吸をさとられぬように、なのか、
イナリの抑えた喘ぎが愛らしい。

しかし、要領を覚え始めたのか、
イナリ自ら速めていく腰の動きが、
徐々に彼女の自制を失わせているようだ。

イナリ
「ぁ……ぁう……きゃぅっ……」

喘ぎに、甘い響きが混ざり始める。
快感を得られる場所に気付き始めたのだろう。

俺のものをしごくというより、
俺のものに気持ちいい場所をこすりつけるかのように、
イナリの身体が揺れる。

イナリ
「きゃふっ……ぅぁぁ……ここ……ここ、だぁ♪
おうじの、こつ、こつ、って……
あたしのおく、とどいて、る……♪」

楽しそうに、あるいは愉しそうに、イナリは腰を上下する。
しかし、イナリ自身が達しそうになると――

イナリ
「ふぁ……ぅ……んぅっ!
ちょ……っと……きゅう、けい……はふ……」

そう言って彼女は動きを止めた。

長くこの交合を愉しみたいという気持ちは分からなくもないが、
こう頻繁に動きを止められると、俺が奉仕されているのか、
イナリの自慰に使われているのかが判らなくなってくる。

今日は俺に奉仕してくれるのではなかったか、
と問いかけると、イナリの大きな耳がぴょこんと跳ねた。

イナリ
「……あ、そうだった。
うー……あのね、おうじのが、ね……?
きもちーすぎて、わすれちゃってた」

俺は肩をすくめつつ、しかしイナリが動くに任せることにした。
今日は、イナリの好意に甘えると俺が決めたのだから。

イナリ
「よーし……じゃあ今度こそ、
王子をきもちよくしてあげるから……ね」

意気込みも新たに、イナリは抽送を再開する。
俺の腰の上で、幼い身体が軽々と、跳ねるように上下する。

イナリ
「ふぁあっ……ぅ、うぅぅ……うにぁ……っ」

イナリの身体が、びくびくと震える。
先程までより速く、小刻みな上下運動は、
イナリ自身にも強い快楽をもたらしているのだろう。

もはや声を抑えるような余裕もないのか、
それよりも、俺に奉仕する方に集中しようとしてくれているのか、
イナリの嬌声は徐々に高まっていく。

イナリ
「お、うじ……きも、ち、い……?」

頷く代わりに、頭を軽く撫でてやる。

イナリ
「ふふっ……ふゃ……っ……あぁッ……!?
ぅ……ぅぁ……ぅ……ひむゃっ!?」

男根が、激しく締め付けられる。
達したのであろうイナリは、しかし、
腰の動きを止めようとしない。

俺に犯されているときには、
達したことを声に出すほどに悦んでいたというのに、
今日に限ってはイっていないふりすらしている。

イナリ
「ふぅぅ……あぁッ……んーッ!!」

ほんの数秒の後に、再び肉棒が締め付けられる。

きゅう、きゅう、と、俺自身を愛撫するかのように、
イナリの肉壁は何度も俺を絞り上げる。

イナリ
「ふぁぁぁッ……んぁッ!?
……ひぅっ……うぅぅぅ……ッ!!
お、うじ……きもち、く、しな、きゃ……ぁぅっ」

小さな身体には辛いだろう連続絶頂を、
俺に奉仕するために、あえて耐えているのだろう。

幾度もイナリの膣内に強く締め付けられ、
俺の昂ぶりも熱く、決壊寸前にまで高まりつつある。

イナリ
「おう、じ……おう、じぃ……ッ
あた、し……ちゃん、と、おうじ、きもち、よ……く
できて……る……ゃぅっ!?」

ああ、と答え、イナリの小さな秘所による奉仕に意識を集中する。

これほどまでにいじらしい、懸命な奉仕だ。
余すところなく受け取ろう。

イナリ
「ふふ……よか、ったぁ……♪
あた、しの……なか……にっ……
びゅーって、して……きゃぅっ……いい、から、ね……?」

ぎゅぅぅ、と、イナリの膣壁が、ひときわ強く俺を締め付ける。

促されるままに、俺はイナリの膣内へと精液を注ぎ込んだ。

どくり、どくりと、
小さな子宮を占領していく感覚が手に取るようにわかる。

イナリ
「おう、じ……おうじぃ……っ
いっぱい、でて……きゃぅぁッ!?
おな、か、くるし……んぅぅぅっ」

イナリ
「おなかの、なかぁ♪
おうじ、で、いっぱ、い……ぃあっ……
ま、まだで、りゅの……!?」

小さな器の中を埋め尽くすと、
やがて繋がったままの膣口から
二人の体液が混ざったものがじわりとにじみ出てきた。

一度も自身が達したことを口に出さなかったのは、
今日は俺を気持ちよくしたいと言ったイナリなりの気遣いか。

しかし、イナリの愛らしい秘所が脈打つたび、
俺の注ぎ込んだ精液が、俺とイナリの隙間から次々に溢れ出す。

イナリ
「ふふ……おうじのせいえき、で……
おなかいっぱい、だぁ……♪」

気を失ったかのように、俺の方へと倒れ込むイナリ。

俺は応えるように、イナリの小さな身体を強く抱きしめる。

イナリ
「ね、王子……前に言ったけど……あたし、ね……」

イナリ
「王子のこと……すき、だよ……」

知っている、と囁くと、
イナリは嬉しそうに、彼女の下腹に手を触れる。

イナリ
「……ふふっ♪
王子、いっぱい出してくれたね……」

イナリ
「王子を……気持ちよくしてあげられたなら……、
やっぱり……この姿になって……よかったぁ……♪」

幸せそうに微笑むイナリは、やがて、
いつものように静かな寝息を立て始めたのだった。