アリシア寝室1 シーンテキスト

窓外の夜空を見つめながら、
ぼんやりと考え事をしていると、
自室の戸を叩く音が聞こえた。

アリシア
「アリシアです……王子、入室してもよろしいでしょうか?」

許可の言葉を返すと、
ゆっくりと扉が開いた。

すると、
美しい蒼銀の髪を揺らしながら、
アリシアがベッド上の俺へと歩み寄ってきた。

アリシア
「城内の見回り、完了しました。
本日も、異常はありませんでした!」

少しだけ誇らしげな笑みを秀麗な顔に浮かべながら、
アリシアが言った。

その言葉に首肯で応じると、
アリシアも真似するように、
一度だけ頷いた。

一瞬だけ、
奇妙な沈黙が俺達の間にたたずむと、
それを追い払うようにアリシアが言葉を放った。

アリシア
「あの……困っていることはありませんか?」

困っていること……?

予期せぬアリシアの言葉に
俺は面食らってしまう。

アリシア
「えと、例えばもう一枚ブランケットが欲しいとか、
暖かな紅茶が飲みたい、とかです……」

特にはない、と
気遣ってくれたアリシアへの礼と共に言った。

アリシア
「本当に、何もないのですか……?」

そんなに俺に困っていてほしいか、と返すと、
慌てたようにアリシアが手を振って否定した。

アリシア
「そうではありません……そうでは、ないのですが……」

アリシアは僅かに顔を俯かせた。

だが次の瞬間、
意を決したような強い表情をその端正な顔に映すと、
ベッド上にいる俺の隣に腰を下ろした。

うっすらと香る甘い匂いが鼻孔をくすぐり、
アリシアが可憐な乙女だということを妙に意識してしまう。

アリシア
「あの……ですね」

怖ず怖ずとこっちに顔を向けると、
アリシアはその手を俺へと伸ばした。

アリシア
「こちらの方で、何かお困りではないのかと……
考えてしまったのですが……見当違いでしたでしょうか?」

――ッ!?

思わぬ感覚が下腹部を襲う。

見れば、アリシアの右手が
俺の股間を擦っている。

驚きと不意の刺激が
意識を無視して、愚息を硬くさせた。

アリシア
「……王子のここは、なんだか苦しそうですよ……?」

彼女の行為を制止しようとしたが、
理性を黙殺した不届きな欲望が
アリシアの愛撫の継続を求めてしまった。

気づくと、
アリシアは俺のズボンの奥から、
器用にペニスを取り出した。

アリシア
「王子のココ……すごく、アツくなってます……」

白いドレスグローブを纏ったアリシアの可憐な指先が、
肥大したペニスを包むと、ゆっくりと上下に扱き始めた。

上質な手袋の質感と、
ぎこちなくも優しいアリシアの手の動きと合わさって、
得も言われぬ快感が陰茎から腰元へと広がっていく。

アリシア
「これで……あって、ますか……?
こうされると、男の人は……気持ちいいんですよね?」

羞恥に赤らむ美麗な顔に、
わずかな期待をにじませながら、
アリシアが問いかけてくる。

緩慢な彼女の手の動きに、
意識そのものが揺すられているような
不思議な感覚に俺は陥っていた。

アリシア
「……はぁ……王子……んっ……ぁ……
気持ちよさそうなお顔をしていますね……よかった……」

安堵に頬を緩ませるアリシアは、
更に言葉を継いだ。

アリシア
「私は……王子の近衛騎士です……。
夜の奉仕だって……うまくなりたいです……」

そう言いながら、
アリシアはあいている方の手で
自らの胸元をはだけさせていく。

ぷるん、と形の良い胸が露わになり、
視覚においても情欲を掻き立ててくる。

アリシア
「まだまだ未熟ですが……んっ……ふ、ぁ……、
王子に、いろいろと教えて頂きたいです……」

愛らしい微笑と共に向けられた
アリシアのその言葉によって、
あっさりと理性を剥がされてしまう。

俺は立ち上がって
じれったい愛撫から陰茎を引き離すと、
そのままアリシアの眼前にペニスを差し向けた。

アリシア
「お、王子……?
どうしたの、ですか……?」

困惑に目を丸くしてアリシアは俺の顔を一瞥したが、
次の瞬間には、
鼻先に突き出された男根へと視線を戻していた。

勃起しきった男性器の存在感に圧倒されたかのように、
アリシアが一度だけ大きく溜息を零すと、
その唇から、小さな声が鳴った。

アリシア
「……口で、すればいいのですよね……?」

俺の頷きを確認すると、
アリシアもまた、首肯で応じた。

アリシア
「やって、みます……王子。
痛かったら、ちゃんと叱って下さいね……?」

殊勝な言葉と共にアリシアの愛らしい桃色の唇が、
ペニスに接吻するように近づくと、
怖ず怖ずと舌先が伸びて亀頭の先端に触れた。

アリシア
「れろ……ちゅ……ぺろ……ん、ふぁっ……
れる……んっ……れろ……ぺろ……」

拙い舌使いだが、
暖かさと程よいざらつきが心地良い。

だが物足りなさに痺れをきらし、
俺は口の中にソレを含むように命じる。

アリシア
「わ、わかりました……それでは、失礼……します……」

不安げな眼差しを俺へと向けながら、
アリシアは小さな口を精一杯あけながら、
肉鉾を咥え込んでいく。

アリシア
「んぐっ……ふぅ……んんっ……」

少しだけ苦しそうな
アリシアのくぐもった声が
陰茎を通じて身体に響く。

俺を見つめたまま顔を動かして
不慣れな奉仕を開始するアリシアの健気さだけで、
すでに射精してしまいそうなほどに興奮していた。

アリシア
「んっ、んぐ……じゅる……じゅるるっ……んふぁ……」

淫らな湿音が寝室に響き、
その度に得も言われぬ快楽が
俺の身体を駆け巡るようだった。

アリシア
「んんっ、ちゅる……ちゅぶっ……じゅるるぅっ……、
ぷはぁっ……はぁ、はぁ……お、王子……どうですか……?
うまく……できていますか……?」

涙に潤んだ美しい瞳で心配そうに俺を見つめ、
奉仕の名残で艶めかしく濡れる唇で問いかける。

ああ、と彼女の頭を
帽子の上から優しく撫でた。

アリシア
「よかったです……私、このようなことは、
したことがなくて……でも……頑張りますね……」

そう言うと、
再び男根を口に含み、
アリシアは奉仕を続ける。

アリシア
「ちゅる……ちゅぷ、ぢゅぶ……んっ、んんっ……、
じゅるるぅっ……ぢゅぶ……ちゅぷ……」

戦場では共に戦うことのできる技量を持つ
近衛騎士というだけあって、
性技に関しても飲み込みがはやい。

肉鉾の捌き方も既に様になってきてはいる。
だが、このままでは自分の中で膨れあがる
爛れた欲望を満たすことはできそうになかった。

アリシア
「んっ、じゅるっ、ぢゅぶ……じゅるるぅっ……、
んふぅ、んっ……ちゅぶ、ちゅぷ――んんっ!?」

アリシアが驚いたのも無理はない。

俺は自分から腰を動かし、
彼女の口内の更に奥へとペニスを突き入れていたのだ。

アリシア
「んふぅっ、んんっ! じゅぶるっ、じゅぶ……んぶっ!
ふぅ、ふぅぅっ……ぢゅぶぅっ、ぢゅぶるるっ……!」

苦しげに鼻で息をし、
涙目で現状の難儀を訴えるアリシア。

普段であれば申し訳なさに耐えきれず自制しただろうが、
アリシアの奉仕が生む快楽と、無垢な少女を犯しているという
背徳的なまでの征服欲の充足に心身が猛り狂っていた。

アリシア
「ぐぷっ、んんっ、じゅぶ、じゅぶるっ……んぶっ……、
ふぅ、んんっ……んっ、じゅる……ちゅぶ、ぢゅぶぶッ……!」

それでもアリシアは必死に
俺を受け止めようとしてくれている。

決して俺から視線を外さず、
知らず零れる涙も意に介さずに、
俺の欲望を受け入れようとしてくれていた。

その健気さと気高さと、
親愛によって与えられる快楽に、
俺は限界を超えた射精感を解放させられていた。

アリシア
「――んんンっ!?
んぶっ、ンっ……ぢゅぶッ……!
ん、ふぅ……んんっ……んぐ、ンぐぅ……ッ!」

唐突な射精に目を剥いて身をすくませはしたが、
アリシアは決して口を離さず、
最後まで性の奔出を受け入れた。

もう何も出ないことを察したアリシアが、
最後に一度だけ、大きく亀頭を吸い上げると、
ゆっくりと唇をペニスから離した。

アリシア
「んっ……はぁ、はぁ……んぁ……ふぁ、ぁ……
お、王子……私、うまく……できましたか……?」

初めての奉仕と、
俺の激しい求めに応じた名残が、
唇のぬめりと荒い息づかいににじんでいる。

だと言うのに、無理をして笑いかけてくれる
アリシアのその可憐さに狂おしいほどの愛しさを覚え
俺はたまらず彼女を抱きしめていた。

アリシア
「お、王子……?
……あのこれって……その、うまくできていたと……
そう、思って……いいのですか……?」

ああ、と彼女の頭を撫でながら言うと、
嬉しさと安堵に満ちたアリシアの小さな溜め息が、
すぐ耳元で聞こえた。

そして彼女は、
少しだけ緊張しながら、
こう問いかけた。

アリシア
「……アンナお姉様よりも、
うまく出来ていましたか……?」

その言葉に、俺は驚く。

アリシア
「……なんて、無理ですよね……。
アンナお姉様に、私なんかが……
勝てるわけ、ないですよね……」

そんなことを思わせてしまっていたのか、と
自分の浅はかさにむかっ腹がたった。

アリシア
「でも……これからいっぱい頑張ります……、
だから……少しでも私を――きゃぁッ!?」

俺はアリシアをそのままベッドへと押し倒した。

アリシア
「王子……ど、どうされたのですか……?」

少しだけ怯えたように
アリシアが俺を見上げる。

アンナは関係ない、と
俺は口走っていた。

アリシア
「……そんなの、嘘です……」

アリシア
「王子は……私とお姉様を比べているはずです……
だって、私はアンナお姉様の従姉妹ですから……」

だから関係ないって言ってるだろ、と
わずかに語気を荒げている自分に驚く。

なぜ、こんなにも苛立っているのか不思議だった。

アリシア
「なら……わがままな願いを聞いて下さい……」

俺は小さく頷いた。

アリシア
「今夜だけでいいのです……」

アリシア
「……私を……アンナお姉様よりも、愛してくれますか……?」

アリシアの美しい瞳から、静かに涙が零れた。

目の前の少女が漏らした言葉と、
露わになったその偽りのない心に応じるように、
俺はアリシアの唇にキスを落とした。

アリシア
「ん……ちゅ……ふぁ……ぁ……」

互いの唇が離れると、
アリシアは涙に濡れた頬を
精一杯に笑みの形にしてこう言った。

アリシア
「……王子……どうか、私をお抱き下さい……」

アリシア
「それで、私は信じることが……できると思います……」

アリシア
「あなたを……そして、自分を……」

言葉は、もう要らなかった。

二度目の口づけが、
想いの切っ先を互いの心に刻みつけたのを悟ると、
俺たちはゆっくりと、より深く愛し合う為に身を寄せ合った。