アナトリア寝室3 シーンテキスト
――どくッ! どぷどぷッ! どびゅるるるるるるッッ!!!
アナトリア
「ぅぁあッ! アッ……はぁぁああああぁああああッ!!」
本日何度目か知れぬ射精を子宮に浴びたアナトリアが叫ぶ。
どうだと言わんばかりに見つめる俺を、
しかし彼女は不敵に微笑みながら振り返り、
アナトリア
「ハァ、ハァ……フフッ。
これで残り二発ってところかい、王子?」
と涼しい顔で挑発。俺の闘志を燃え上がらせる。
とはいえこちらの戦況は芳しくはない。
おそらく残弾はあと二発。彼女の読みはいつも正しいのだ。
その二発を撃ち尽くす前に
俺はアナトリア――目の前のオークの女傑を
イキ狂わせ、失神させねばならない。
アナトリア
「どうした、もうお終いかい?」
背後から抱きしめられるような体勢で繋がったまま、
ニヤリと目を細めて俺を挑発するアナトリア。
その手が寝台の隅に横たわる怪しい色合いの酒瓶に伸びる。
アナトリア
「だったら今度は、こっちから攻めさせてもらうよ」
そう宣言したアナトリアが三口ほど飲んだ酒を、
手渡された俺も同様に三口飲む、というのが今宵のルールだ。
媚薬入りの酒が脳を甘く蕩かせ、
愚息が武者震いと共に強靭さを取り戻す。
アナトリア
「ンッ……いいねぇ、いい硬さだ」
アナトリア
「やはりあんたのコレでなくては、
あたしを貫き、屈服させることはできないだろうさ」
アナトリア
「……が、いくら天下の業物だろうが、
それを振るうあんたがこのザマじゃあねえッ!」
と、鋭い雷喝と共に燃えるような快感が股間を直撃。
たまらず俺は悶絶する。
見ればアナトリアの腰が激しく前後に動いて
咥え込んだペニスを肉壷でぬぢゅぐぢゅと刺激している。
アナトリア
「ふぅっ! フンッ! んっふ……ぬふぅッ!」
アナトリア
「はぁッ、ふぅンッ!
フフッ……どうした王子、わかってるんだろう?」
アナトリア
「このあたしに勝ちたかったら……、
んぁッ……何度も、立て続けにイかせるしかないよッ!」
デスマッチ――という試合形式を模したのだそうだ。
絶頂に次ぐ絶頂で相手の意識を失わせた方が勝者となる。
だがこの勝負では主導権を握りやすい男が有利なため、
俺は射精できなくなった時点で負けというハンデを負っている。
以上のルールの採用後、俺は一度も勝利できていない。
が、今宵こそは何としてもアナトリアに勝ってみせる――!
アナトリア
「フッ……望むところさ」
アナトリア
「さぁ! かかってきな王子ッ!」
フンッ! という猛烈な鼻息と共に
オークの美女の総身を覆う筋肉が隆起する。
ギチギチと音がしそうな程の膣圧――。
窒息死の危険を感じた愚息が声にならない悲鳴をあげる。
アナトリア
「ンッ……どうした、もっと攻めてきなッ!」
クイクイと挑発的に顎を上下させながら、
アナトリアは蛇の如く自在に膣道をうごめかせる。
このまま一方的になぶられ続ければ
僅かな残弾のうちの一発を無抵抗のまま奪われてしまう。
それだけは避けなければ――と逸る気分に急かされて
激しい律動を繰り出してしまったのが運の尽きだった。
アナトリア
「ンッ! オッ!? ぐっ……ふぅ、ンッ……!」
アナトリア
「フッ……なかなか、いい攻めじゃないか……ッ!
一撃一撃っ……正確にッ、あたしの奥を撃ち抜いて……ッ!」
アナトリア
「はぁあっ……イイ、イイよ王子、最高だ……ッ!
あんたの突きが、脳まで、響いて……っ!
んぁッ、ハァッ……ンッ……また、イっちまいそうだ……ッ!」
アナトリア
「ハァッ、ハァッ……フフッ。
だが王子……あんたもそろそろ限界なんじゃないのかい?」
違う、と必死で否認しようとした俺を、
嘘をつくな、と咎めるように圧を増した膣壁が襲う。
拷問じみた強圧はしかし、
素早い抽挿とヌルつく愛液と媚薬の効力によって
凄まじい快感に変換されて次々とペニスに刻まれていく。
アナトリア
「ンぁッ……ハァ、ハァッ……。
く、フフッ……どうやらここまでみたいだね、王子?」
美しい碧眼がニヤリと歪んで、
俺はアナトリアの術中にはまってしまったことを悟る。
やはり俺は彼女の高みに至ることはできないのか――。
悔し涙が一粒、頬を伝って寝台に落ちると、
それを契機に我慢していたものが竿先から迸った。
アナトリア
「ンッ!? ンぐぅッ……んふぅンン~~~ンンッ!!」
鼻にかかり、くぐもった嬌声。
鍛え抜かれた肉体が悦びを表すかのように踊る。
アナトリア
「はぁっ、はぁ……はあぁぁ……っ」
アナトリア
「いい……最高だよ王子……んっ、ふはぁぁ……っ。
あんたの精子……濃くて、熱くて……んぁっ、はぁあ……っ」
アナトリア
「ハァ、ハァッ……わかるだろう?
あたしの一番奥が、あんたの切っ先に吸い付いてるのが……」
アナトリア
「子宮が……孕みたがってるのさ」
まるで本当に母になったかのように
慈愛に満ちた表情で自らの下腹を撫でるアナトリア。
……だが、本当の勝負はこれからだ。
アナトリア
「――ンぉッ!?」
アナトリア
「お、王子?
どこを触って――ひぁっ! あッ、はぁあ……ッ!」
唐突に背後から乳房を揉まれ、
アナトリアは存外に可憐な声を漏らして身をよじる。
いじらしく伸縮する膣に刺激されて
再び戦闘態勢に入った愚息でまずは一突き。
ガツンと強烈なのを最奥にお見舞いする。
アナトリア
「――オッ!?
し、子宮に直接……ンぉッ、おッ、ほぉおおぉ~~ッ!!」
油断していたところを強襲したのが効いたのだろうか。
舌を突き出した口から放たれた獣じみた咆哮は
アナトリアが一段階上の高みへ到達した証だ。
アナトリア
「ば、馬鹿なッ……ンッ、オッ、ほぉおおおッ!?」
アナトリア
「アッ、あんた……んぁッ! アッ……はぁあああッ!
くッ、もぅ……残り一発だったはずじゃないか……ッ!」
アナトリア
「なのにっ……ふぁっ、あッ……ほぁあああッ!
なぜっ……ここまで果敢に……攻めてこられるッ!?」
確かにあと一発で俺は打ち止めだ。
次に射精した瞬間に俺の敗北が決してしまう。
だが、男には自ら死地に赴かねばならぬ時がある。
そしてそれは、今を置いて他にはあるまい。
だから俺は……この一発に全てを賭ける――!!
アナトリア
「ンンッ! ぐ、ふぅうっ……!
つ……つけあがるなッ、人間めぇえッ!!」
刹那、刺突を繰り返す肉槍に膣が食らいつき
たまらず俺は肺の中の空気を吐き出してしまう。
が、それでも俺は退かない。
どんな悪路でも前進した先にしか勝利はないのだ。
アナトリア
「ハァッ、ハァッ……んぅッ、ふぅうぅッ……!
んあっ……くっ、し、執拗にッ、側面を擦るとは……ッ!」
アナトリア
「ふはぁあぁっ……い、イクッ……!
んぐぅッ……ま、またイかされてしまうぅ……ッ!」
ビクビクっとアナトリアの総身に震えが走り
彼女が何十何回目かの絶頂に至ったのがわかる。
――それを待っていた!
俺はどっしりとした彼女の腰を両手で抱きかかえ、
畳み掛けるように亀頭で子宮口を連打する。
アナトリア
「んぉおおおオッ! オッ! ほぉおおおおぉオオッ!!」
雄叫びのような嬌声。
確かな手応えを感じるが悦に浸る余裕はない。
とうに限界を超えた射精欲に脳内は真っ白。
暴発していないのが奇跡と思えるほどだ。
いや、奇跡だって構わない。
今はただ目の前の女を
イかせてイかせてイかし尽くす――それだけだ。
アナトリア
「アッアッアッ――あはぁああぁアッ!!
アッ……フゥうッ、い、イき過ぎて、息が……オッ、ほぉオッ!」
アナトリア
「んぐッ……ンぅうッ!! あ、ふッ……んんンンンッ!!
あはぁあっ……イ、イクッ! チ○ポイグぅう……ッ!
お、王子……ンッ……少し、休ませ……ぅあ、あはぁあッ!」
汗だくの美貌を歪めて懇願するアナトリア。
そんな彼女を見るのは初めてかもしれない。
だが俺は容赦なく抽挿を加速させていく。
否、既に意思ではなく衝動が俺を突き動かしていた。
アナトリア
「ハアッ……ハアッ…………ふふっ」
と、不意に柔らかな笑みが
アナトリアの美貌をほころばせる。
どきり、と胸が鳴り、思考に一瞬の空白が生じた。
アナトリア
「そうだ……それでこそ、真の人間の英雄…………」
アナトリア――――ッ!!
無意識に名を叫んでいた――。
同時に腹の奥で弾けた白光が視界を瞬時に染め尽くす。
…………。
それから、どれだけの時が過ぎたのだろうか……。
アナトリア
「…………王子、そろそろ起きたらどうだい?」
優しい声が上層で響いたのに気付き、
深層に沈んだ意識がゆっくりと浮上していく。
重い目蓋を上げて周囲を見回した俺は、
オークの美女のたくましい腕に抱かれている自分を発見した。
アナトリア
「フッ……昨日もすごく良かったよ」
満ち足りたように微笑むアナトリア。
その一言で俺は、今回もまた彼女に勝てなかったことを悟る。
どうやら俺はまたしても、
射精と同時に意識を失ってしまったらしい。
アナトリア
「あぁ……またしても引き分けさ。いつもと同じでね」
アナトリア
「だが、あんたとあたしはこれでいいのさ。
……そうだろう、王子?」
ああ、と俺は頷く。
性的な交わりであれなんであれ、
快楽を真に追求する試みには
どこか剛健の、闘争の気配がなくてはならない。
それはアナトリアと情交を重ねるうちに学んだことだ。
勝敗を決する為ではなく、物事の真髄を極める為の闘争――。
時として闘争は、生成の手段ともなりうるのだ、と。
アナトリア
「フッ……あんたが何を考えてるのか、
あたしにはさっぱりわからないよ」
アナトリア
「あたしは戦うことしかできない、不器用な女だからね……」
アナトリア
「剣と剣を、拳と拳を、身体と身体を――。
こうやってぶつけ合うことでしか自分を表現できないのさ」
言いながら彼女は、
その太くたくましい腕で力強く俺を抱き寄せる。
アナトリア
「だから、あたしにはこんな言い方しかできないが……」
アナトリア
「…………」
アナトリア
「……王子、あんたが好きだよ」
ぼそり、とぶっきらぼうに囁くと、
アナトリアは誤魔化すように俺の額に口づけをしたのだった。