アナトリア寝室1 シーンテキスト
アナトリア
「……どうした王子、怖気づいたのかい?」
――どうしてこうなったのか。
眼前の寝台では、水着のような布をずらして
上下の秘所を晒したアナトリアが
妖艶な笑みをたたえて横たわっている。
アナトリア
「オーク族最強の戦士を
人間が抱くっていうのは気が引けるかい?」
アナトリア
「……それとも、なにか?
人間のあんたは、あたしの身体なんかにゃ
そそられないってのかい?」
そんなことはない、という言葉が口を衝いて出ていた。
鍛え上げられた肉体、豊満な乳房、秀麗な美貌……。
生物として、これほど美しい牝はそうはいまい。
アナトリア
「ふふ、身体は正直だねぇ。
あんたのご自慢の名刀は、あたしと一戦交えんと
勇み立っているじゃないか……」
……そうなのだ。
先刻から俺の愚息は狂おしいほどに勃起していた。
アナトリア
「どっちが相手を満足させられるか、っていう勝負だったね?」
そんな勝負をする約束をいつしたのだろうか……と、
酒に酔った頭でぼんやりと考える。
あまり好まないが酒ならいける、
と話していたアナトリアと意気投合し、
酒場で気分良く酔っ払ったところまでは思い出すことができた。
アナトリア
「遠慮はいらない、全力でぶつかって来な」
アナトリア
「それとも、そこにおっ立ってる
凶悪なブツはただの飾りだってのかい?」
挑戦的なアナトリアの言葉と視線に煽られ、
ならば試してみるか、と言いながら自慢の肉刀を露出させた。
硬い陰唇を指で割り開くと、
意外なほどに小さな膣口がうっすらと濡れ光っている。
相手はオーク族の英雄なのだ、
という考えが一瞬脳裏にチラついたが、
気づいたときには愚息が彼女の肉穴に誘い込まれていた。
アナトリア
「んふぅッ!? ……く、ふぅうううぅ……ッ!!」
ブツン、と張り詰めた紙を突き破るような感触を
竿の先端に覚え、総身にぞわりと戦りつが走る。
アナトリア
「ふふ……ここまで来たのはあんたが初めてだよ……」
少しだけ微笑を歪めてそう告げたアナトリアの言葉に、
馬鹿な、と内心で激しく狼狽する。
だが、見れば接合部の隙間から赤いものが流れ始め、
彼女の言葉が嘘ではないことを証明していた。
アナトリア
「あたしに見合う牡がいなかった……それだけのことさ」
アナトリア
「それにあたしは……んっ……、
強くなるために、すべてを捨ててきたんだ……。
性欲だって……くふぅっ……例外じゃないさ……」
言われて俺は、アナトリアが
女である前にオーク族最強の戦士であることを思い出す。
戦いにおける強さを第一義とするオーク達のことだ。
自分よりも強い者を抱こうだなどという不遜な考えを
抱く者はいないだろうし、その逆も然りであろう。
ならば、アナトリアが処女であっても
なんらおかしなことはないのかもしれない……
が、この胸のざわつきはどういうことだろう。
アナトリア
「んっ……ふふ、どうだい?
オーク族最強の戦士に、一太刀浴びせた気分は?」
何か気の利いた台詞を言い返そうと思ったが、
俺の口から漏れたのは低いうめき声だけだった。
絞め殺さんばかりの膣圧に愚息が圧し潰され、
呼吸をすることすらままならない。
アナトリア
「ふっ……そうかい。感極まって言葉も出ないかい」
アナトリア
「だが、言ったはずだよ。遠慮はいらないってね」
そう言ったアナトリアの全身から、
徐々に力が抜けていくのが感じられた。
膣内の締め付けも少し緩み、
竿を包む媚肉の快い熱さを感じる余裕が生じる。
アナトリア
「さぁ、腰のモノを存分に振るうがいい」
アナトリア
「そして、オーク族最強の戦士である
このあたしを屈服させてみせな、人間の英雄よ」
こうまで戦意を煽られては、挑まずにはいられまい。
万力のようにギチギチと締め付けてくる膣内に、
力を込めてゆっくりとペニスを抽挿させはじめた。
アナトリア
「ん、んんっ……ん、く、ふぅぅん……っ」
押し殺したような艶声が、鼻息とともに漏れ始める。
アナトリア
「ふふ、いいねぇ……んっ……いい気持ちだ。
これが……んぅんっ……男女の交わりというものか……」
アナトリア
「戦いの高揚感とも似た……んぁあ……いい、いいぞ……っ。
もっとあたしを……ん、んんッ……愉しませてくれ……っ」
余裕そうな笑みを浮かべるアナトリア。
対して俺の愚息は早くも悲鳴をあげはじめていた。
引き抜こうとするたびに、アナトリアの膣は
逃すまいとばかりにペニスに強く吸着し、
逆にこちらが根本から引っこ抜かれそうになる。
アナトリア
「ん、んンッ……どうした王子……苦しいのかい?」
アナトリア
「この程度で……ん、ふぅぅっ……、
果てるような……タマじゃないだろうね?」
買いかぶりだ、と俺は言って、一時休戦を申し出る。
アナトリア
「そうか……。
あんたならあたしを愉しませてくれると思ったんだけどねぇ」
至極残念そうに嘆息するアナトリア。
愚息を拘禁していた肉穴がその門戸を拡げ、
これで一息つけると喜んで脱出しようとした、
そのとき――。
アナトリア
「……だが、理由はどうあれ、
一度始めた戦いから途中で逃げ出すなんて許さないよ」
アナトリア
「決着が着くまでは付き合ってもらうからね――フンッ!!」
気合と共に恐るべき強圧が愚息を襲い、
あまりの苦しさに本物の悲鳴が口を衝いた。
必死に逃れようとしたものの、
いつの間にか丸太のような脚が腰に巻きつけられたことに気づき、
真っ暗な絶望の底で退路が断たれたことを知る。
進めば自滅、退けば破滅――。
光が見えない状況の中、それでも一筋の望みをかけて、
俺は灼熱の深淵の奥に闇雲に突き進んでいった。
アナトリア
「んぅっ、ん、んふぅっ……そ、そうだ、その動きだ……っ」
アナトリア
「いいね、王子……初めから……んぁあっ、あ、あはぁ……っ、
そうしていれば……くふぅんっ……よかったのさ……」
アナトリア
「たとえ……んんっ……敵わないと判っていても、
全力で挑みかかってくる……そういう奴が……あぁっ、
あたしは……好きなのさ……」
アナトリア
「はぁ、はぁっ……あぁ、いい、いいよ……あたしも、
身体が……んンッ……だんだん、火照ってきたみたいだ……っ」
と言いながらも、アナトリアにはまだ余裕が見える。
せめて一矢報いたかったが、
腰椎が溶けるほどの強烈すぎる快感に
誘発された射精感を留める術はなかった。
吸い込むような勢いで深々と飲み込まれ、
目の前が真っ白になったかと思うと、
気づけばペニスが脈打ちながら濁精を撒き散らしていた。
アナトリア
「んぅんンッッ!? ん……んはあぁぁァアッッ!!」
刹那、電撃を受けたかのように
アナトリアの隆々たる腹筋が振動する。
アナトリア
「ん、ふぅぅ……これが、人間の牡の射精か……。
腹の奥に……熱いものが、勢いよく流れ込んで……」
うねりを増した膣に、
たまらず愚息が悲鳴をあげて
一回の射精量の限界を超えた精を吐き出す。
アナトリア
「んはあぁッ……ぁ……あぁあぁぁぁ……ッ!」
甲高い嬌声をあげて、
アナトリアは軽く達したように見えた。
アナトリア
「ハァッ、ハァッ、ハァ……ッ」
アナトリア
「や……やるじゃないか、王子。見直したよ」
アナトリア
「特に最後の射精は……グっときたね。
ふふ……柄にもなく、自分が牝だって実感させられたよ」
秀麗な美貌に清々しい微笑を浮かべるアナトリア。
それはしかし、屈服され牝にされた女の顔ではなく、
対戦相手の健闘を称える勝者が浮かべる、余裕の笑みだった。
アナトリア
「ありがとう、王子。
初戦でこんなにいい勝負ができるとは思わなかった」
アナトリア
「やっぱりあんたは……あたしが唯一見込んだ男だ」
そう言って差し出された手を、
俺は奇妙な敗北感に打ちひしがれながら握った。
認めざるを得まい。
目の前の女が、恐るべき名器を携えた強者だということを。
どちらが相手をより満足させられるか、
という勝負においては、
今宵の俺は誰が見ても明らかに敗者だろう。
アナトリア
「また、いい戦いをしよう。
いつか必ず、あんたがあたしを
満足させてくれるって信じてるよ」
俺はアナトリアの握力の強さに
頬が引きつるのをこらえつつ、
次こそは必ず勝つ、と再戦を誓うのだった。